mimizunoBlog

何気ない日々から学びを受け取るブログ

自信とは、働くことで0の自分を信じていくこと〜ゼロ【堀江貴文】

f:id:mimizunomizuno:20170227182445p:plain

先日、挫折というか、今まで計画していたことが崩れてしまい、「これからどうしよっかな〜」と悩んでいたところ、本棚に眠っていた「ゼロ〜なにもない自分に小さなイチをたしていく(堀江 貴文)」を、2年ぶりぐらいに読み直しました。

思えば、ITとは無縁だった自分が、この業界に興味を持ったのは、ホリエモンこと堀江貴文さんと、家入さんの本を読んだのがきっかけでした。本の内容はほとんど覚えてなかったのですが、再読するとやっぱりとてもいい内容で、とても勇気付けれた。

本書は、ライブドア事件といわれている、ライブドアグループの証券取引法違反で堀江さんが逮捕され、2013年に釈放された後に、出版されました。とはいっても、この中で書かれているのは、逮捕されてからの獄中の話ではありません。(獄中などの、堀江さんの自叙伝的な内容は「我が闘争」で書かれてます)

というのも、いまやSNSやITが発達し、わざわざ本を書く必要がない中で、本書の出版にいたったのは、どうしても堀江さんが伝えたいメッセージ(MEME)があったからだと言います。最近は、本を出しまくってる堀江さんなので、これが真偽かは、よくわかりませんが、とてもメッセージ性に溢れる内容で、なおかつとても読みやすいです。

本書でのテーマは「働くこと」。思えば、社会人ではなく、まだまだ経験が浅い自分ですが、今までの自分の「学び」や「気づき」は、人との関わりや挑戦したこと、つまり、「働くこと」で得られたのだな、と本書を読んでぼくは思ったのです。

今まで自分には、就職して働くことには、いいイメージがありませんでした。しかし、いま振り返ってみると、自分が成長や気づきを得られたのは、やっぱり「働くこと」だったのかもしれません。働くことにいいイメージがない方、就活を控えている方、何かに踏みとどまっている方におすすめです。

なにもない自分に小さなイチを足していく〜「ゼロ」

f:id:mimizunomizuno:20170227165916p:plain

本書のテーマは働くこと。題名は「ゼロ」ですが、これを表すものは、以下の文章に現れているかと思います。

でも、ここで確認しておきたいことがある。人が新しい一歩を踏み出そうとするとき、次へのステップに進もうとするとき、スタートラインにおいては、誰もが等しくゼロなのだ。

つまり、「かけ算の答え」を求めているあなたはいま、「ゼロ」なのである。そして、ゼロになにを掛けたところで、ゼロのままだ。物事の出発点は「掛け算」ではなく、必ず「足し算」でなければならない。

まずはゼロとしての自分に、小さなイチを足す。小さく地道一歩を踏み出す。本当の成功とは、そこからはじまるのだ

堀江さんは、自身のメルマガの質問コーナーでよく、成功するためにはどうすればいいかを聞かれるそうです。成功へショートカットを求め、いかに楽をしながら成功できるかを、多くの人が考えている。しかし、なによりも大切なのは、0の自分にイチを足すこと。そして、一番恐ろしいのは、成功への近道を探し、失敗を恐れ、なにも行動しないことだと主張します。 

ゼロになることは、みんなが思っているほど怖いものではない。失敗して失うものなんで、たかが知れている。なによりも危険なのは、失うことを恐れるあまり、一歩も踏み出せなくなることだ。これは経験者として、強く訴えて起きたい。

いかにも自己啓発的な内容かも知れません。しかし、一度全てを失ったからこそ、この言葉は沢山の人に響くのだと、ぼくは思うのです。では、このメッセージを元に、いかに堀江さんが人生を切り開いてきたか、よかったと思ったところをまとめていきましょう〜。

ポイント
  1. 歯を食いしばる努力より、ハマる
  2. ノリの良さで成功体験を積む
  3. ゼロの自分を信じ、イチを足す

1. 歯を食いしばる努力より、ハマる

f:id:mimizunomizuno:20170227183954j:plain

こうやって書いていくと、いかにも血の滲むような努力をしたように思われるかも知れない。しかし、そんな意識はまったくなかった。実際僕は、どんなに追い込まれても毎日10時間の睡眠を確保するようにしていたほどだ。

勉強でも仕事でも、あるいはコンピューターのプログラミングでもそうだが、歯をくいしばって努力したところで大した結果は得られない。努力するのではなく、その作業に「ハマる」こと。なにもかも忘れるくらいに没頭すること。それさえできれば、英単語の丸暗記だって楽しくなってくる。

東大出身の堀江さんは、受験期に英語の科目が苦手科目だったが、おすすめの英単語帳を教えてもらい、片っ端から暗記したそうです。それもただの丸暗記ではなく、単語帳の隅から隅まで、派生語や例文も全て覚えたそうです。

これを聞けば、やはり天才にはかなわないし、相当努力しているのだろうと思うでしょう。しかし、堀江さんは、それを努力とはおもってなく、大事なのは「ハマること」。なにもかも忘れるくらい没頭すれば、英語の丸暗記も楽しくなると言っています。

自分でつくったルール、自分で立てたプランだったら、納得感を持って取り組むことができるし、やらざるをえない。受動的な「やらされる勉強」ではなく、能動的な「やる勉強」になるのだ。

ここから学ぶべきは、努力を努力と思わない方向へ自分を持っていくことこそが、大事だということです。

例えば、英語の勉強も、文法や英単語も、自分が英語を話さざるを得ない方向へ持っていくこと。もしくは、一度海外へ出て、話せない悔しい経験をすること。今流行りのプログラミングの勉強も、ただ勉強するだけではなく、どこかにインターンして働いてもいいし、なにか作りたいものがあるからこそ、努力ではなく「ハマる」ことができる。

マニュアル通りにこなすのではなく、もっとうまくできる方法はないかと自分の頭で考える。仮説を立て、実践し、試行錯誤を繰り返す。そんな能動的なプロセスの中で、与えられた仕事は「つくり出す仕事」に変わっていくのだ。

成し遂げたい目標に対して、自分で計画し、いかに努力と思わないような「ハマる」状態に自分を持っていくかは、本当に大事だと僕は思います。それは環境かも知れないし、一緒にいて楽しい仲間かも知れない。

2. ノリの良さで成功体験を積む

f:id:mimizunomizuno:20170227183426p:plain

なにかを待つのではなく、自分が小さな勇気を振り絞り、自らの意思で一歩前に踏み出すこと。経験とは、経過した時間ではなく、自らが足を踏み出した歩数によってカウントされていくのである。

自身をつける1番の方法は、小さな成功体験を積むことであることは、多くの人が口を揃える事実です。 そして、経験とは、経過した時間ではなく、足を踏み出した歩数です。

堀江さんは、大学時代に全然モテなく、それは経験の少なさが原因で自身を失ってしまいました。そんな時に自信をつけたのは、大学時代のヒッチハイクだったそうです。

友達からヒッチハイクに誘われて、やってみるのか、断るか。あるいは友達からおもしろそうなイベントに誘われて、参加するのか、しないのか。いずれも取るに足らない、些細なことだ。しかし、僕はあらゆる人生の一生とは、こうした小さな選択の積み重ねによって決まってくるのだとおもう。

チャンスというのは、誰にでも同じ数とはいえないけれど、きっと平等にやってくるもの。その時に、目の前に流れてきたチャンスに躊躇なく飛びつくことができるかが、まさに大切です。

僕はこの「チャンスに飛びつく力」のことを、向上心とか目的意識とか、そんな堅苦しい言葉で語りたくない。もっとシンプルな、人としての「ノリのよさ」だと思っている。フットワークの軽さ、好奇心の強さ、そしてリスクを承知で飛び込んでいける勇気。それらの総称が「ノリのよさ」だ。

環境を変えたり、挑戦することは、やはり腰が引けてしまうものですが、その一歩がたくさんの「経験」に繋がることは間違いないと思います。それがまさに堀江さんのいう「ノリのよさ」という言葉には、とてもしっくりきました。

3. ゼロの自分を信じ、イチを足す

f:id:mimizunomizuno:20170227183750j:plain

 これからの時代、自らの時間をお金に変える仕事は淘汰されていくでしょう。また、「ビジネス」「お金」といえば、ホリエモン!というイメージを持つ人も多いかと思います。しかし、お金よりも、「信用」が価値を持つ時代は、すでにはじまっているというのが堀江さんの主張です。

これからの時代を生きるあなたには、「お金」ではなく、自らの「信用」に投資することが求められている。本当に困ったとき、人生の崖っぷちに追い込まれたとき、失敗してゼロに戻った時、あなたを救ってくれるのはお金ではなく、信用なのだ。

最近、話題となっている「LIFE SHIFT」でも、ITが発達し、100歳まで生きれるようになる世界では、お金などの「有形資産」と同じだけ、信用や人脈、スキルなどの「無形資産」と呼ばれるものの、重要度が高まると言われています。

この「信用」を気づくためどうすればいいのでしょうか?例えば、ボランティアに活動したり、人付き合いをよくしたり、仕事で成功することで、「すごい人だ」と評価知れくれるかもしれません。しかし、このようにして「信用」を得ることは、簡単なことではないです。

なぜなら、信用とはこちらからコントロールできる問題ではなく、相手が判断するものだからです。では、どうしていくべきなのでしょうか?そこで自分に刺さった言葉が、以下です。

特に、なにもないゼロの人間が「私を信じてください」と訴えても、なかなか信用してもらえないだろう。

それでも1人だけ確実にあなたのことを信用してくれる相手がいる。

自分だ。

そして自分に寄せる強固な信用のことを、「自信」という。

人生で、たくさん頑張ったのに認められない、もしくは、あれだけ頑張ったのに失敗ばかりだったと思うことはあるかと思います。でもそんな時に、周りの評価がどんなものでも、自分を信じることを諦めることほど、残酷なものはありません。

周りにどう思われようが、自分を信じ、どんな時も自分を愛してあげることは、忘れてはいけない気がするのです。

100人の人間と知り合って、100人すべてから信用されることはないだろう。あなたの努力や人間性にかかわらず、あなたを嫌う人は一定数いる。あなたの理解者となってくれるのは100人中10人程度かも知れない。

でもそれでもいいのだ。もしも100人中10人が理解してくれるのなら、1000人に会えば、100人が理解してくれる。

万人から愛されようと自分の信念を曲げるのではなく、単純に分母を増やしていけばいいのだ。信用の「ゼロからイチ」は、まず自分を信じることからはじまる。

あなたは自分のことを信じているだろうか? 

さいごに

本書は、勇気を与えてくれると同時に、背中を押してくれるようなメッセージ性の溢れる本でした。そんな中で、ぼくの中に響いたのは特に、「挑戦すること」「成功体験を生むこと」、そして「自分を信じること」。まさにそれが、0に1を足すことだと、いま本書のメッセージを受け取った気がします。

自分を愛し、挑戦することを諦めないこと、そして、それを楽しんで生きていくことを、忘れないように。

by みみずのみずの(@mimizunomizuno

誰にも真似されない文章の書き方〜「人を動かす文章術」

f:id:mimizunomizuno:20170220020238p:plain

先日、有名ブログ「わかったブログ」のある記事で、紹介された本を買いました。本記事は、1266ブックマークを獲得し、いわゆる「バズった」記事です。

しかし、実際にAmazonレビューをみても、レビュー数14件&星4つだったため、そこまで絶賛するほどか?と思ったけれども、騙されたと思って買ってみたら、これが当たりだった。わかったブログでも、「ライバルが増えるから、できるだけ教えてくない(笑)」と紹介されていましたが、読んでみて納得です。

考える技術・書く技術」が、きれいな文章を書くための本であるとすれば、本書は、人を動かすための、自分独自の視点を持った文章を書くための本です。

それでは、読んでよかったポイントをまとめていきましょう。

  1. エッセイを書く
  2. 一人弁証論
  3. 自分の視点を持つ文章を書くテクニック

誰にも真似されない文章の書き方

f:id:mimizunomizuno:20170220015914j:plain

1. エッセイを書く

筆者の齋藤 孝さんは、文章を書く際に必要なのは、文章力でも、国語力でも、日本語のセンスでもないと言います。なにより必要なのは、「意味」を掴み取る力です。

そこで、本書のテーマとなっているのが、エッセイを書くことです。エッセイを書くにあたって、必要なのは、自分の視点を大切にすることです。つまり、他人と違う角度をもった視点で文章を書くこと。この他人と違う視点を持った文章は、面白く、読んでもらえる文章になるといいます。

では、エッセイとはなんでしょうか?よくある間違いは、読書感想文です。これは、作文は、本を読んで素直に感想を書けば成立します。

一方、エッセイとは、一つのテーマを決め、それについて語っていくうちにその本の内容が引用される、といった構造が必要とされるといいます。Wikipediaでは、以下のように定義されています。

エッセイ
1.自由な形式で、気軽に自分の意見などを述べた散文。随筆。随想。
2.特殊の主題に関する試論。小論

エッセイを書くには、あるテーマについて従来とは違った視点での捉え直しと、そこから得た新しい発見が必要です。これができるようになると、例えば本を読んだり、経験をしたことから、新たな気づきや、視点を発見することができた力は、周囲から見れば、「目のつけどころがいい」という評価になります。

「目のつけどころがいい」人物は、ユニークな発想を生み出します。すなわち、社会の中で非常に重宝される人材になるということです。

ここでは簡単に、エッセイを書く段取りと、ポイントを挙げておきます。もっと詳しい内容は、ぜひ本書をご覧ください。

エッセイを書く段取り
  1. ネタだし(思いついたもの、ネタを書き出す)
  2. グループ分け(ネタを3つくらいのグループに分ける)
  3. ゴールを決める(最後の文章を考える)
  4. タイトルを決める(「つかみ」は一番大事)
  5. 通過地点を設定する(「えー」「へぇ」「ほぅ」となる3つのポイントを考える)

では、どのようにすれば、他人と違う角度をもった文章を書くことができるのでしょうか?これについては、「一人弁証論」と、本書の中で特にイイなと思ったポイントを、以下にまとめていきましょう。

2. 一人弁証論

文章を書くには、先ほど、「エッセイを書く段取り」で示したように、まず、ネタを出し、ゴールとなる結論の一文を決めます。その次に、スタートとなるタイトルを決め、その通過点となるポイントを3つほど並べる。これが一番すっきりする文章の書き方です。

これより、もう一段高度な文章スタイルが、「一人弁証法」といわれるスタイルです。

「弁証法」とは、正・反・合のステップによる論理的展開法のことです。つまり、あるテーマに対して、まず、「正」である賛成意見を述べ、続いて「反」である反対意見をぶつ議論形式にする。最終的には、議論の成果である「合」を述べる、というやり方です。これを一つの文章の中で、一人で展開するのです。

この文章テクニックは、一つの文章で、賛成と反対、さらに両者をぶつけた後に導かれる結論まで書かれているため、思考のレベルは自ずと一定基準を超えます。つまり、賛成意見と、反対意見を踏まえた上での意見は、「そこまで考えたのか...」と相手に思ってもらえるので、説得力がかなり高まります。

この手法は、最近話題となった「嫌われる勇気」などでも用いられています。本書では、「アドラー心理学」が対話形式で解説されているため、読みやすく、とてもわかりやすいです。登場人物は、先生と少年の二人です。形式としては、先生が論ずる「アドラー心理学」に対して、少年が「いやいや」と突っ込む、まさに「正」と「負」を用い、結論を導き出すという形です。

この一人弁証法は、あることについて、自分が実際にどう思うかだけではなく、「違う立ち場から考えたらどうなるか」を考える力になります。この方法については、特に「なるほど...」と思いました。これから僕も意識して使っていこうと思います。

3. 自分の視点を持つ文章を書くテクニック

それでは最後に、自分の視点を持つ文章を書くためのポイントをまとめていきましょう。

文章において、凡庸は恥 

文章においては、凡庸さは恥です。結果としての凡庸さはある程度しかたがないとしても、せめて「凡庸さは恥」だということを肝に銘じておきたい。実は、このことを知ってもらうことこそ、私が本書を書くにあたっての、隠されたテーマなのです。 

例えば、TVのコメンテーターが

「結局のところ、人生で大切なのは、人間性を磨くことである」

「自分が納得できる生き方をすることが、一番だと思う」

このような一般論を述べても、おかしくはないですが、同じことを文章でやっては、悲惨です。つまり、凡庸であることは文章において恥なのです。読まれる文章において、目指すべきは、発見のある文章、あたらしいものの見方を提示している文章です。

「上から目線」と「生意気さ 」

「ここが面白いなと思いました」というひれ伏した感じではなく、「この言葉が私をインスパイアしてくれました」という感じを出すのです。いや、もっと偉そうに「この私をここまでその気までさせてくれた。」それだけに、この物語はなかなか大したものだ。」とあくまで「上から目線」の姿勢で臨みましょう。

読書において、筆者と対等な立場で読むことは、批判的に文章を読み、自分の意見を持つことが大切であるように、文章において、「上から目線」や「生意気さ」で書くことは、自分の意見や発見を強調し、他の人とは違う一際目立つ文章になります。

独自の視点の見つけ方

個性というのは、ある種の「無理」や「歪み」だと思います。無理や歪みが一切ない整然たるものというのは、おもしろくもなんともありません。逆に「なんで、ここでこれ?」と驚かれるようなものを文章に放り込んでガリガリつなげていく強引さがあると、その人の個性、歪みというものがにじみ出てきて、「なんか焦げ臭いね」「ここ、摩擦熱が起こっちゃっているんですけど」という感じで、ウケる人たちにはものすごくウケるのです。

例えば、読書での学びや映画でのストーリーを、自分の体験や、生活で起こったことに繋げた時、それは個性になり、その人だけの文章になります。これが独自の視点となり、文章に面白みを生んでいきます。

これを普段から意識すると、何気無い毎日から学びを見いだすことができるのです。その上で、ブログで文章を書くことは、かなり有効です。「書く生活」と「書かない生活」では、普段のものの見方も圧倒的に変わってくるからです。

引用と出典でおトク感を出す

書き手が新しい何かを発見していなくても、あるいは全体の趣旨がつまらなくても、キラリと光る言葉が引用され、しかも出典まで明らかになっていると、「読んで得したな」という感想を持ってもらえるのです。

他人に読ませることを前提に文章を書くときに、面白い発見がないときもあります。その時は、「引用」を用いることが有効です。例えば、小説一冊を読んで、新しい発見をすることがなかったとしても、自分の中で心に残った一文を引用にメモして起き、それに対してコメントするだけで、新しい文章になります。

読んでいる方としても、その小説や映画を見ずに、その引用に出会えただけで、「よかったな」とお得に感じ、またそれがきっかけで、「読みたい!」と思わせことができるかもしれません。このように引用で人を動かすことも可能です。

以上で終わりです。文章とは、何のために書くか。それは人を動かすためにあります。ぜひ、自分だけの文章を書く力を身につけていきましょう。

by みみずのみずの(@mimizunomizuno)

これからの時代に必要不可欠な「生産性」の話~自分の時間を取り戻そう

f:id:mimizunomizuno:20170209165851p:plain

元マッキンゼー出身で、社会派ブロガーのちきりんさんが出したばかりの「自分の時間を取り戻そう」を先日読みました。これは、ちきりんさんが出した「自分のアタマで考えよう」「マーケット感覚を身につけよう」に続く、シリーズの3冊目です。

個人的に好きな「自分の頭で考えよう」のテーマは、題名の通り「自分の頭で考えること」でした。実際にある社会の問題に対して、情報を鵜呑みにせず、どう自分の考えていくかを分かりやすく解説しています。ロジカルシンキングの入門のような形で、とてもよかったです。

一方、今回の本書でのテーマは「生産性」です。ちきりんさんは、本書を出すと同時に、伊賀 泰代という名前で「生産性」という本も出版しています。公式には同じ人物であるかは公表してないみたいですが、書いているのは同人物と言っていいでしょう。

今回の「自分の時間を取り戻そう」は、ブロガーちきりんの視点から、「日々の暮らしの生産性をあげよう!」と言った主張に対して、著書「生産性」は元マッキンゼー出身、伊賀 泰代の視点から「日々の仕事の生産性をどう上げるか」を語っているような形です。

一貫して「なぜ生産性が必要なのか」、また「どのように生産性を上げていくべきか」について語られています。これからのITの発達で変わっていく世界で、重要なテーマの一つが「生産性」であり、終始なるほどな〜と読んでいました。今回も、かなりおすすめです。

これについて以下の順で、それぞれまとめて行きたいと思います。

  1. なぜ生産性?
  2. どんな仕事がなくなる?
  3. どうやって生産性を上げる? 

1. なぜ生産性?

f:id:mimizunomizuno:20170209171437j:plain

今回のテーマは「生産性」ですが、なぜちきりんさんは「生産性」にこだわるのでしょうか?それは、今社会が急速に高生産性社会へとシフトしているからです。高生産性社会のシフトとは、社会全体が、生産性が高まる方向にどんどん動いていくことであると、ちきりんさんは定義しています。

そこで、その要因となった大きな例として、「シェアエリング・エコノミー」「ベーシックインカム」を挙げています。

Uber・Airbnbのシェアリングエコノミー

シェアリングエコノミーとは、「使われていない資産、リソースを有効活用することで新しい価値を生むもの」です。これの代表的なものとして、今有名なのは、個人が自分の空き時間に自家用車で乗客を運び、乗車賃を稼ぐUberのようなサービスや、個人が空き部屋を宿泊場所として貸し出すAirbnbといったサービスです。

この2つのサービスは、資源の活用度合いをより高め、より有効に使われ始められるようになりました。つまり、これが「生産性が上がった」ということです。そして、このようなサービスは今後どんどん展開していくと、ちきりんさんは主張しています。

ベーシックインカム

もう一つ生産性が上がっている例として上げているものが、ベーシックインカムです。ベーシックインカムとは、簡単に言えば「保有資産や所得の高低にかかわらず、全国民に最低限の生活が可能になる金額の現金を、毎月配布する制度」です。

そんな制度、実際にやるのは不可能なんじゃないの?と思うかもしれませんが、実際にスイスでベーシックインカムの制度の是非を問う国民投票も行われました。結果は否決となりましたが、今後の社会に導入される可能性について注目が高まっています。

このベーシックインカムの制度に賛成しているのは、福祉充実派の人らしいです。というのも、生活保護はプライドがあって受け取らなかったり、審査があるため必要性があっても、拒否されてしまう人がいます。しかし、ベーシックインカムであれば全員もらえるため、気が楽で、審査もなく全員に行き渡るから、みんなハッピーという考えです。

しかし、ちきりんさんは、この考えとしてのベーシックインカムではなく、生産性の低い人を労働市場から排除するための新たなベーシックインカム論が出てきており、これが生産性が重要になってくる理由だと主張しています。

これはつまり、生産性が低いのに給料をもらっている人は排除して、生産性が高い人だけが働こう。だから、その他の人はベーシックインカムをあげるから、仕事の邪魔をせずに遊んでいてくれ〜、ということです。

そんなことが本当にありえるのか?と思ってしまいます。しかし、話を少し昔に戻すと、日本では江戸時代、人口の9割=数千万人が農民でした。それなのにしょっちゅう飢饉が起こり、地方では餓死する人もいるほどだったみたいです。ところが、今や日本が農業に従事しているのは、20万人ほどになりました。

さらに日本の食料自給率は低いと言われますが、主食の米は今も100%時給です。このように農業の生産性は江戸時代に比べれば、何十倍にも高くなりました。そしてこれはもっと上がっていくと、ちきりんさんは主張します。

なぜなら、手作業で農業を行なっていた形態が機械のおかげで生産性があがったように、つぎはロボットやドローンのおかげで、もっと生産性が上がっていくからです。これと同じことが、他の仕事にも当てはまっていくと言っています。

ITが急速に「高生産性社会」へとシフトさせている

長くなりましたが、この「シェアリング・エコノミー(Uber・Airbnb)」と「ベーシックインカム」の2つが、今後の社会でより、生産性が必要とされるようになった例の一つです。

ですが、社会の高生産性シフトは、実は今に始まったことではないと、ちきりんさんは主張します。というのも、産業革命で人力と馬力が蒸気機関に置き換えられた時から始まっていたからです。

ただ、そのスピードと範囲は、ここにきて一気に拡大しています。その最大の理由がインターネットをはじめとするデジタル技術であり、スマホやドローンなどデジタル技術を活かすさまざまなハードの開発です。さらに今後は、人工知能からIoT(Internet of Thing)、そして遺伝子工学まで、高生産性シフトを強力に推進するであろう技術が次々と実用レベルにまで降りてきます。まさに、メディアアーティストの落合陽一さんのいう「魔法の世紀」が近づいています。

ポイント
  • 生産性が高まっている例として上げられるのが、「シェアリング・エコノミー」や「ベーシックインカム」。
  • 今まで生産性は上がっていたが、ITの発達でそれが急速に加速した。
  • 今後さらに効率が重視される社会で、生産性がもとめられていく

2. どんな仕事がなくなる?

f:id:mimizunomizuno:20170209171544j:plain

悪い働き方

仕事というのもは、過去のやり方を振り返り、改善方法を考え、試行錯誤しながら少しずつ生産性を高めていくもの、というのがちきりんさんの主張です。しかし、ほとんどのホワイトカラーの部門には、8時間をかかった仕事を、半分の4時間にするにはどうすればいいかを考える習慣がないといいます。

逆に言えば、ちきりんさんが働いていたマッキンゼーでは、これを徹底しているということですね。では、なぜ多くの会社ではこの習慣がないのでしょうか?それは、生産性を上げる必要がそもそもなかったことが一つの理由です。

しかし、これからはそれも変わります。採用業務やITサポート、経理処理や受注センターなどに関しては、他の企業に委託し、たくさんの請負の専門企業が増えました。そして、今後は人工知能も活用し、今よりさらに高い生産性で業務を担ってくれる企業がでてきます。

生産性が高い仕事が生き残る

では次に、どんな仕事が生き残るのでしょうか?それは生産性が高い仕事、つまり、機械に任せても大きく生産性が変わりそうにない仕事です。

これからは、多くの仕事は人工知能やロボットに代替されるわけですが、失くなっていく仕事は「自動化しやすい仕事」ではありません。そうではなく、ロボットが担当した時に、人間が担当したときの生産性の差が極めて大きい仕事です。

例えば、配送トラックを人間が運転する場合と、自動運転自動車を比べてみましょう。自動運転は睡眠や休息も必要としませんが、数時間おきに休憩が必要となる人間に比べれば、圧倒的に生産性の違いが現れるでしょう。

これが「時間をかければ終わる仕事」が淘汰される典型的な例です。まだまだ、自動運転の実用は問題があるかもしれませんが、これも時間の問題でしょう。

また、「クリエイティブな仕事はなくならない」という主張もありますが、これも違うとちきりんさんは主張します。最近では、すでに人工知能に作曲をやらせたり、絵を描く、小説を書くという実験も始まっていて、レベルは高くないものの、どんどん制度は高まっているそうです。

その一方、ライブハウスでお客さんの雰囲気に合わせ曲順を変えたり、トークで会場を盛り上げて即興で演奏すると行ったようなミュージシャンの仕事は、人工知能付きのロボットでは置き換わるのが難しいでしょう。(おすすめの曲順を提案するなどはできそうですが)

ポイント
  • 仕事ができる人とできない人の違いは、8hをどう4hに短縮できるか考える習慣
  • これからロボットに変わる仕事は、人間と比べ生産性が高いか低いかで決まる

どうやって生産性を上げる?

f:id:mimizunomizuno:20170209171612j:plain

ここまで生産性がいかに重要であるかを話してきました。では、具体的にどのように生産を上げていくべきなのでしょうか?そこでキーワードとなるのは、「お金と時間」「やりたいことを明確にする」の2つです。

お金と時間こそが、最大の希少資源

生産性を上げるために、すべきことの第一歩が、お金と時間をどう使っていくかを意識することです。なぜなら、これらは私たちが皆もっており、かつ一番貴重な資源だからです。多くの人が「お金が足りない」もしくは「時間が足りない」と言っています。

ここで、お金と時間には大きな違いがあります。それは、お金は目に見えやすいが、時間は目に見えにくいという点です。時間もお金と同じくらい貴重な資源です。しかし、これは目に見えないため、軽んじられてしまいます。

よく「もう年末なの?」「もう1ヶ月が過ぎてしまった。」と思うことがあるのではないでしょうか?これがいかに自分たちが「時間の喪失」に鈍感であるかを示しています。

そこで重要なのは、何にお金を使ったか、また1日の何に時間を使ったかを見えるか化することです。多くの企業が、業務を他に外注できるようになったように、時間はお金で買うことができます。それは仕事だけではありません。英語の学習も、お金を払って良い教材を買えば、効率的に学習し、時間を増やすことができます。

生活の生産性を上げるためには、今の自分にとってなにが希少な資源なのか、それを正確に理解すること。そして、その資源の無駄遣いに敏感になることが大切です。

やるべきことを明確にする

次に生産性を上げるために、重要となるのが「自分はなにを手に入れたいのか」を理解することです。

私たちが大事にすべきなのは、過去ではなく未来です。今の時点で保有している希少資源をなにに投資するのがもっとも生産性が高いのか = 自分が欲しいものが手に入りやすいのか。そういう視点で考えてこそ、過去に縛られない生き方ができるというのが、ちきりんさんの主張です。

本来「自分のほしいもの・手に入れたいもの」を理解するのは難しいことではありません。しかし、大人になると「自分が欲しいもの」と「手に入れれば社会が評価してくれるもの」が違うことを理解し、多くの人が本当に「欲しいもの」を手にいれることを見誤ってしまうようになります。

極端な例で言えば、赤ちゃんは自分が欲しいものが明確で、それが与えられないとずっと泣き続けます。しかし、年をとるにつれ、社会を知り、欲しいものがわからなくなるようでは、それは成長とは言えないと、ちきりんさんは言います。

豊かな生活とは、希少な資源を最大限利用し、自分が欲しいものをできる限り、たくさん手にいれるという生産性の高い生活のことです。でも肝心の「欲しいモノ」を見誤ってしまっては、いくら希少資源を投入しても手にいれることはありません。

周りの人がやっているから、という理由でつい行動してしまうことも、よくあるかと思います。自分が本当に欲しいものを明確にし、なにに時間を使うべきなのかを、日頃から意識していきたいですね。

ポイント
  • 生産性を上げる第一歩は、希少資源である「時間」と「お金」を意識すること
  • 見える化することで、時間を有効に活用しよう
  • 本当に自分が欲しいものを明確にしよう

具体的な方法

では、具体的な方法を紹介していきましょう。具体的にすべきことは、「働く時間を減らす」「全部やる必要はないと決める」の2つです。

まず前提として、生産性は「インプット=希少資源」と「アウトプット=手に入れたい成果」の比率として計算されます。つまり、生産性とは投入した希少資源(時間やお金)に対する割合であり、希少資源がどれくらい有効に活用されたかというレベルを表す指標です。 

生産性 = 得られた成果 / 投入した希少資源 = アウトプット / インプット

 この生産性を上げる方法は2つあります。1つ目は、「より高い成果(アウトプット)を出して、生産性を上げる」こと。2つ目は、「インプット(時間)を減らして生産性を上げる」ことです。

そして、ちきりんさんは生産性を上げる一番の方法は、2番目のインプットを減らすこと、つまり、「働く時間を減らすことです」。学生であれば、勉強する時間を減らす、主婦であれば、育児や家事に減らす時間を減らすことです。

え?と思う人も多いかと思いますが、人が生産性を上げなけらばならないと真剣に考えるのは、「そうせざるを得なくなった人だけ」です。

最近、Yahooでは週休3日制が取り入れられ話題となりました。これは、長時間労働が問題視される中、社員の集中力を高めて仕事の効率化を測るために実際に取り入れられた実例です。

ヤフー「週休3日」真の目的は社員の生産性向上 

他にも本書では、日本とブラジルの農家の例や、ワーキングマザーと外資系企業の社員の例で、この「働く時間を減らすこと」について、詳しく説明されているので、ぜひ本書を読んでみてください。

では、最後に具体的な方法を以下に箇条書きにしておきます。実際に見たらわかるとは思いますが、これを実践するのは分かっていても、少し難しいと思ってしまいます。しかし、本書を読んで、どれだけ生産性が重要なのかを理解すれば、実行に移ることができるかと思います。

働く時間を減らす
  1. 1日の総労働時間を制限する
  2. 業務ごとの投入時間を決める忙しくなる前に休暇の予定をたてる
  3. 忙しくなる前にゆうかの予定をたてる
  4. 余裕時間をたくさん確保しておく
  5. 仕事以外のこともスケジュール表に書き込む
全部やる必要はない
  1. 「全てをやる必要はないと!」自分に断言する
  2. まず「やめる」
  3. 「最後まで頑張る場所」は厳選する
  4. 時間の家計簿をつける

さいごに

今回本書を読み、生産性の重要性を改めて感じさせられました。実は最近、自分の中で、「自分が本当にほしいものを明確にして、どうやったら手に入れられるかを考えること」をずっと意識していて、それが自分のテーマとなっていました。そんな中、本書を読んでみるとまさに同じことが書かれていて、とても参考になったため、ここまでまとめるに至りました。

しかし、具体的にやろうとすると難しい。だからこそ、自分が欲しいものを明確にして、それを見える化することが大事なのだと思います。また、具体的にはどうするの?という点については「エッセンシャル思考」を読むことで、さらに理解が深まるなと思いました。どちらもおすすめです。

ではでは、日々精進していきましょう。それでは最後に。

 

 

 

そんじゃーね!

PDCAで読んだ本の内容を忘れない、圧倒的に効率を上げる読書術

f:id:mimizunomizuno:20170131205425j:plain

読書というものは、自分の知らない世界を広げ、日々の仕事や生活に役立つ知識を与えてくれます。しかし、本を読んで満足し、後から振り返ってみると、読んだ内容をほとんど思い出せないことは、よくあるのではないでしょうか?

ぼくも今まで、まったく読書をして来ませんでしたが、大学に入ってから読書が好きになりました。しかし、果たして本当に日々の生活にそれが生かせているかといえば、自信がない。

そこで、今回は読書術といわれる本を何冊も読み、いかに読書の効率を最大限あげる方法をリサーチしました。何冊も読みましたが、どの読書術もそれぞれ独自のやり方があるとはいえ、共通しているものがありました。

それはつまるところ、PDCAサイクルを回して、効率よくインプットし、それをアウトプットするということです。まだまだ未熟な自分なので、PDCAサイクルのことを語るのは、ただ意識が高いだけになってしまう気がして億劫ですが、やはりこれに尽きるかと思います。

PDCAサイクルとは、簡単にいえば、Plan(計画)→Do(実行)→Check(評価)→Action(改善)を繰り返すことで、業務をどんどん改善していく手法です。

PDCAサイクル(PDCA cycle、plan-do-check-act cycle)は、事業活動における生産管理や品質管理などの管理業務を円滑に進める手法の一つ。Plan(計画)→ Do(実行)→ Check(評価)→ Act(改善)の 4 段階を繰り返すことによって、業務を継続的に改善する

PDCAサイクル-Wikipedia

フレームワークに読書術を当てはめるとすっきりします。これを元に、読書の効率を最大限上げていき、読んだ内容れず日々の生活に生かしていく方法をまとめていきます。

  • Plan 何を学ぶのかのテーマを決める
  • Do テーマを元に読んでいく(インプット)
  • Check 能動的に随時、仮説検証を行う。
  • Action アウトプットする

(参考にした本はこちら)

PDCAサイクルで、読書の効率を最大化する読書術

0. Before 本を選ぶ

f:id:mimizunomizuno:20170130164807j:plain

読書の学びを最大化するには、いかに悪書を避け、良書を読んでいくことです。そこで参考になる方法をいくつか挙げていきます。 

1. Amazonレビューを参考にする。

本を買う際は必ず、Amazonでレビューを確認するのをおすすめします。書店では新書が出ると山積みに置いてある本が、レビューをみると星3つなんてことはよくあります。これを使わない手はありません。

基本的にレビューが20件を超え、星が4つ以上であれば良書である可能性は高いです。しかし、価値観は人それぞれ。映画でも「君の名は」が大ヒットしている一方で、賛否両論があるのも事実。あまり、鵜呑みにするのはやめましょう。

2. ブログの本紹介記事を参考にする

本の内容を要約してくれる書評ブログ、また人気のブロガーは「〜年読んでよかった本まとめ」のような記事を出しています。誰かのおすすめは良書であることが多いため、これを活用していきましょう。

個人的なおすすめは以下。特にブログ「読書猿」さんが、強くおすすめしている「知的複眼思考法」はかなりよかったです。ブログを読まなければ、この本には出会わなかったかも。

3. 尊敬する人のおすすめを読む

自分が尊敬する人や著名な人のお勧めする本を読むのも1つです。お勧めしている本は、その人の価値観を少なからず形成している可能性が高く、読んでいて楽しい。ぼく個人としては、wantedly CEOの仲さんがおすすめしている「自分の中に毒を持て(岡本太郎)」や、ゲームクリエイターの小島監督がよく使うミーム言葉の元となっている「利己的な遺伝子」は、とてもよかった。

1. Plan(計画を立てる)

f:id:mimizunomizuno:20170130165255j:plain

1. 本で何を得るかを決める

読む本を決めたら、その本で何を学び取るかを決めるのが一つのコツです。これを意識するのとしないのとでは、全く違います。読書はつい受動的になってしまいますが、その本を取ったからには、何か学び取りたいものがあるはずです。自分が何を学びたいのかを明らかにし、受動的な読書から、積極的な読書に転換し、時間を学びに変えましょう。

2. 時間を決める。

精神科医の樺沢紫苑先生は、1ヶ月に30冊の本を読み、その全てはスキマ時間の特に「移動時間」に本を読んでしまいます。本を月に30冊読む秘訣は、時間を決めることです。樺沢先生は、「今日は、帰宅までにこの本を読み終える!」と、いつも目標設定するそうです。

目標設定をすると、記憶強化物質であるドーパミングが分泌され、漠然と読むより、記憶に残るといいます。読書は、ついだらだらとなってしまいがちですが、時間を決め、能動的に読んでいきましょう。また、複数の本を同時に読むのは、人にはよりますが、あまりおすすめしません。本を複数同時に読むと、少し前に読んだ内容を忘れてしまう可能性が高いです。本は1冊を時間を決めて意識して読めば、記憶に残りやすくなります。

3. レベル別に読んでいく

例えば、経済学を学ぶために、話題となったトーマスピケティの21世紀の資本を読もうとしても、経済学の基礎を知らなければ、挫折するか、読んでも結局理解に苦しむことになってしまいます。この場合であれば、まず経済学の入門書を読み、ミクロ、マクロを順番に固めていくべきです。自分が学びたいテーマを決めたなら、自分のレベルに合わせた本を選び、体系的に読んでいきましょう。

2. Do(本を読む)

f:id:mimizunomizuno:20170130165223j:plain

では、自分が何を得たいのかを決めたら、実際に読んでいきます。娯楽のために読んでもいいですが、やはり積極的に学び取るものを意識して読んでいく姿勢が大切です。その際のテクニックとしては、かなり初歩的ですが、1.目次を読む2.マーカーで線を引くことです。 

1. 目次を読む

ぼくは今まで本を読む際に、目次を無視していましたが、これはあまり効率が良いとは言えません。例えば、プレゼンを行ったことがある人は、プレゼンのスライドの初めに目次、アジェンダを載せてる人がほとんどであるかと思います。

これを行う理由は、伝えたい人に対して、これから話す内容の道筋を示すことで、理解を深めてもらうことが可能だからです。これは読書においても同じです。目次を読み、自分が学びものが、どこにあるかを予測し把握しておけば、読書の効率がに圧倒的上がります。

2. マーカーで線を引く

ペンや、蛍光ペンで自分が「なるほど!」と思ったところに線を引くのは、脳科学的に有効です。「字を読む作業」と「手にペンを持って線を引く作業」は全く別の脳の領域で行われているからです。さらに「文字を書き込む」というのもまた別の脳の部分で行われています。

このように、脳の複数の領域を使えば、脳が活性化し、記憶に残りやすくなることが科学的に証明されています。また、線を引いたところを後から振り返って見返すのにも、自分に最適な情報だけ入ってくるため、とても有効的と言えます。

ぼくは、三菱鉛筆 ボールペン付き蛍光ペン プロマークを、読書をするときは常に持つようにしました。カバンや筆箱、机などに置いておき、いつでも使えるようにしています。これは蛍光ペンとボールペンが一緒になっており、かなり重宝しています。あまり店舗には置いてなく、Amazonでまとめて買うのはかなりおすすめです(売り切れにならないか心配)

3. Check(仮説検証を行う)

f:id:mimizunomizuno:20170130165455j:plain

PDCAサイクルの真髄は、何度も仮説検証を繰り返すことにあります。重要なのは、本を読んでいる際自分が学びたいことを意識し、それが自分の求めていることかを常に確認することです。

80対20の法則を読書に適応する

80対20の法則というものがあります。これはイタリアの経済学者、ヴィルフレド・パレートが提唱したもので、「イタリア国民の二割が、イタリア全体の八割の富を生み出している」という有名な法則です。この法則は、あらゆることに当てはまると言われています。

そして、これは読書にも当てはまります。読書を投資と考えれば、本から得られるリターンの80%は、20%を読むだけで得られるということです。多くの読書本で言われることですが、本は全てを読む必要はありません。自分にとって必要な情報を選別し、いらないところは読み飛ばすか、流し読みでも構いません。

つまり、自分が学びたいことを決め、目次であらかじめ本の流れを把握する。そして、自分にとって大事だと思うところに仮説を立て、能動的に読んでいくことが、効率を上げる重要なポイントです。仮説を立て読んでいき、もし読んでいるところの筆者の主張が、自分に必要ないと判断できたら、読み流し、次へと進んでいきましょう。

4.Action(アウトプットする)

f:id:mimizunomizuno:20170201144608j:plain

読書の効果はなんといっても、インプット × アウトプットで決まります。アウトプットなくしては、読書から得られる効果は全く違ってきます。

ドイツの心理学者、ヘルマン・エビングハウスは、人間の記憶したことは、20分後に42%、1時間後に56%、1日後に74%、1週間後77%、1ケ月後79%が忘れてしまうという結果を発見し、それを示したのがエビングハウスの忘却曲線と呼ばれています。

しかし、これは「人間は忘れる動物である」ということだけを示しているのではありません。つまり、記憶に定着させる方法は、いかに復習(アウトプット)を行うかが重要であるということです。

f:id:mimizunomizuno:20170131164058p:plain

(引用:エビングハウスの忘却曲線 )

これについて、いかにアウトプットを行い、読書の効率を上げていくかのポイントを挙げていきます。

1、3、7日目に復習する

脳がインプットした情報を忘れずに、「重要な情報である」と判断する基準は、「何度も利用される情報」「心が動いた出来事」の2つです。この後者である「何度も利用される情報」と判断するのに最適な期間は、「最初のインプットから、7〜10日以内に3回インプットする」であることが、研究で明らかにされています。これは受験勉強や、英語の勉強など、読書のみならず覚えておくといいでしょう。

4つの方法でアウトプットする

では、どのようにアウトプットしていくかを具体的に挙げていきます。

  1. 本を読みながらメモをとる、マーカーでラインする。
  2. 本の内容を人に話す。本を勧める。
  3. 本の感想や気づき、名言をSNSでシェアする。
  4. Facebookやメルマガに書評、レビューを書く。

このうち、3つを1週間の内に行うようにしていきましょう。精神科医の樺沢さんによれば、マーカーでラインを引くこともアウトプットとして効果的である、と述べています。また、本で学んだことを友達に話すのもいいですし、ブログをしていれば、内容をまとめて、アウトプットもできるので一石二鳥です。

読書の学びを共有するFacebookグループに参加する

ブログやFacebookに投稿するのは、友達の目が気になり、あまり乗り気ではないという方は、読書の学びを投稿するFacebookのグループ(アクションリーディング)に参加するのがオススメです。これは「0秒思考」の著者である赤羽さんが、「本ばかり読んでも成長した気がしない。行動も変わらない」という問題意識から作成したFacebookグループです。

このグループでは、「チャレンジシート」というものを本を読む前に作成し、本を読む目的、読んだ学び、これからどうするのかの投稿する。また、これから読みたい本を一緒に読んでいく参加者を募れることを目的にしています。読書をしてる際は、ついモチベーションが下がってしまいますが、これを利用するのも効果的です。利用する際は、ぜひ1度、赤羽さんの著書に目を通しておきましょう。

アクションリーディング 1日30分でも自分を変える"行動読書"

5. PDCAサイクルを回す

f:id:mimizunomizuno:20170131202658j:plain

ここまで、いくつかのテクニックを上げてきましたが、大事なのはやはり「学んだことを日々の生活に生かしていく」ことです。そして、このサイクルを回し続けていくことが重要です。

例えば、今回ぼくがこのブログを書くに当たって、「読んだ本の内容をほとんど覚えていない」という(課題)を元に、「1番効率の良い読書法を身につける」という(目的)を定めました。そこから以下のような流れで、この記事を書くまでに至りました。

  • Plan

    読書法の本を何冊か読み、ブログにまとめる(目的)

    レビュー・書評を読み、本を5冊ピックアップ

  • Do

    実際に本を読む

  • Check

    目的に当てはまる情報を意識して読んでいく。いらない部分は省く(読書のメリット、電子書籍の活用、おすすめの面白い本などの情報は、流して読んだ)

ここまで目的を意識して本を読んでいると、新たな仮説が出てきました。

(新たな仮説)

何冊か本を読んだが、これは結局PDCAサイクルのフレームワークに当てはまるのでは?


よって以下のように、修正(Adjust)して、PDCAを回しました。

  • Adjust(修正)

    PDCAサイクルをちゃんと理解しているわけではない←これを解決しよう。(新たな目的)

  • Plan
    知り合いの尊敬していて知識が豊富な人がオススメしていた本を選んで、PDCAサイクルのフレームワーク体系を抑える。

  • Do&Check
    PDCAのフレームワークを抑えることを意識して、深い内容は予備飛ばす。

  • Action(アウトプット)
    学んだ知識をブログにまとめる。

このように少し無理矢理かもしれませんが、PDCAサイクルに当てはまりました。大事なのは、「目的」を意識したことで、能動的に効率良く情報を取得していき、足りないものがあれば調整していくことができたということです。

最初に目的(1番効率の良い読書法を身につける&ブログにまとめる)を設定したため、能動的に効率を意識して本を読み、行動し続けることができました。これは、普段何気なく本を読んでいた時とは、全く違うほどの学びを得られたと思います。

これはなにも「ブログを書け〜!」ということではありません。もちろんブログを書くのもとて良いことです。しかし、どんな人にも、なにか身に付けたいことや、学びたい物事があって、本を読むかと思います。

「文章力を身に付けたい」「仕事の効率を上げたい」「おしゃれになりたい」など、それぞれに目的があり、それを身につけるために、本を手にします。そこで、その目的を意識し、ではどうすれば、それを手に入れることができるかを考えていけば、身につくことが1→100にも変わっていきます。

なによりも、読書も知識を得る手段でしかなく、それをどう活かすかが重要です。もちろん、本を読むことを楽しみ、学んだことを最大限生かしていきましょう。

by みみずのみずの(@mimizunomizuno

参考にした本

読書術を学びたいのであれば、以下の中でも1冊読めばOKだと思います。テクニックに関しては人それぞれですが、どれも言っていることは共通しています。

精神科医の樺沢さんの書籍。脳科学の視点から解説してくれるので説得力があります。以下の2つは共通している内容が多かったので、どちらかを読めば大丈夫でしょう。

読書は投資であると考え考え、読書方法について戦略的に解説してあります。読みやすくおすすめ。

1996年に発売された、いわゆる古典です。今の時代でも読まれ続けている名著です。すこし難解ですが、読む価値は高いです。いろんな読書術を読みましたが、どの内容も、この本に全て書かれている気がしました。

「0秒思考」で有名な、赤羽さんの本。Facebookグループ(Action Reading)を活用する際は、読んでおきましょう。

いい加減使える英語を身につけたい人の、効率的な勉強法まとめ集

f:id:mimizunomizuno:20170118101933j:plain

近年、「英語」は身につけておきたい、求められているスキルの1つであることは、いうまでもない。ITが発達し、自動翻訳ができるため、英語を勉強する必要はないという人も多い。しかし、今の時期に英語を身につけなければ、今後、英語を勉強する時間を取ることは一層難しくなる可能性もある。

そんな中、日本では過去に比べ、たくさんの学習教材が増え、英語を学ぶハードルは低くなった。また、たくさんの英語学習法をまとめたサイトや、記事もたくさんある。しかし、中には「1日〜分だけで 」「毎日〜するだけでなど、わけのわからない商材も増えている。

英語の取得に裏技などはない。時間をかけ、何度も反復練習を積むことで身につけることができる。

しかし、一方で近道はある。自分のレベルに合わせ、効果的な学習を積むことで、最短で英語を身につけることが可能であることは、多くの人が言っている事実である。

そんなことを言っているぼくも、TOEIC900点がある訳でもなければ、ネイティブスピーカーのようにペラペラに喋れる訳ではない。

だからこそ、今回は、自身の経験に基づき、溢れかえった情報や、英語勉強法まとめを見て満足することに終止符を打ち、無駄のない英語の勉強を始め、使える英語を身につけることを目指していきたい。

自分の英語レベル

自分の英語レベルとしては、Marchの大学生で、留学経験としては、フィリピン留学1ヶ月、アメリカホームステイ2週間、ベトナムインターン2週間である。TOEICは昨年に対策はせずに受け、750点だった。

今回の目標としては「使える英語」を身につけることである。TOEICのスコアアップのための勉強としては、以下がおすすめ。

効率的に英語を身につける7つのステップ 

1. レベルにあった正しい勉強法を抑える

f:id:mimizunomizuno:20170118165648p:plain

効率的な英語の学習を始めるにあたって、まずは自分のレベルを知り、それにあった勉強法を実施することなしには始まらない。それが学べるのが「英語上達完全マップ」と「20歳を過ぎてから英語を学ぼうと決めた人たちへ」の2つである。

正直に言えば、この2つをしっかり理解すれば、他は必要ないほど、英語勉強の方法と実態を把握することが可能である。自分のレベルにあった学習を理解することができる。 

英語上達完全マップ

これは英語の勉強をしている人なら1度は見たことがあるだろうくらいに、沢山の人がブログなどで紹介している、もはや英語学習のバイブルのような本である。実際にTOEIC300点ほどの人が、本書を実践して、10ヶ月でTOEIC890点を達成し、その後、通訳案内試験に合格している。以下のサイトを参考にするのが一番早い。

英語上達完全マップを10ヶ月やってみた

また、公式サイトにて、本書のトレーニング方法が全てまとめられている。それがこちら。正直、公式サイトがかなりのボリュームで、これをみてもOKだが、お金に余裕がある人は、ぜひ本書を一読することを強く勧める。

英語上達完全マップ

20歳を過ぎてから英語を学ぼうと決めた人たちへ 

これはフィリピンの語学学校サウスピークの、カリキュラム作成の総責任を務めるはるじぇー(@HAL_J)さんが作成した、20歳を過ぎた日本人(留学経験無し・受験英語/TOEIC英語しか学んだことがない人達)が、TOEIC860点に到達し、「話す」「聞く」ができるようになるための、勉強法がまとめられている。

これは、ネット記事が先に公開され、はてなブックマークを7,700以上獲得し、2010年のはてなブックマーク獲得総数で2位した人気記事となった。その後、書籍化された。これは本を読むより、サイトを見るだけでいい。かなりの情報量であることがわかる。

20歳を過ぎてから英語を学ぼうと決めた人たちへ

また、この記事をまとめたはるじぇーさん自身も、「英語上達完全マップ」を絶賛しており、それを読んだ後、「20歳を過ぎてから英語を学ぼうと決めた人たちへ」を応用として、活用すること勧めている。

『英語上達完全マップ』は英語学習の専門家がお書きになっているだけあって、学習の仕方や参考書について詳細に記されています。英文読解の学習方法の詳細はこちらをご参照ください。ここまで詳しく書かれた記事が公開されていると、正直言って私はもう書かなくても良いかなと思えてきます。

この『英語上達完全マップ』で読解学習をする際に、私が【発音】と【英単語】の記事で紹介した方法、Phonicsや語源暗記法と組み合わせて行うととても効果的です。また、『英語上達完全マップ』で紹介されている瞬間英作文については、後で取り上げますのでそちらもご参照ください。

(『英語上達完全マップ』は英文読解の正当な学習方法 )

 まとめると、「英語上達完全マップ」で、最適で効率的な勉強法を知り、「20歳を過ぎてから英語を学ぼうと決めた人たちへ」で、英語学習に対しての認識と、モチベーションを深め、応用していくのが一番良い。

「英語上達完全マップ」は、英語の学習の効率を最大限上げるための方法を学ぶものであり、一方「20歳を過ぎてから英語を学ぼうと決めた人たちへ」は、語学学校の運営に携わる著者の実体験に基づき、様々な英語学習の実情や、英語を学ぶことのメリットなどを広く網羅している。

最低でも、 「英語上達完全マップ」は一読し、自分のレベルにあった学習で勉強を進めよう。以下、ステップ2以降では、この2つで薦めている学習方法と、ぼく自身の英語学習体験、他の英語勉強法まとめで勧められている学習方法を紹介していく。

2. 最低限の英単語と英文法を身につける

f:id:mimizunomizuno:20170118102710j:plain

自分の英語にまだ自信がない人は、まず最低限の英単語と、英文法を身につけよう。しかし、もしMarchレベルの大学生で、英語にそれほど苦手意識がない人、もしくはTOEIC550~600レベル人(センター英語160前後)はこの章を飛ばしても構わない。

既にある程度の文法知識とボキャブラリーがあるのに、また基礎から固め始めるのは、いつまでたっても使えない英語学習にしかならない。さっさと使える英語の勉強に移ろう。

まだ英単語と英文法の基礎ができてない人に、おすすめなのは、「一億人の英文法」と「DUO3.0」だ。

「一億人の英文法」で英文法を固める。

 文法の参考書はたくさんある、実際に自分で見て、気に入ったものを買ったら良い。そんな中でも個人的におすすめなのは、「一億人の英文法」だ。これは「話すこと」にフォーカスし、英語をただ暗記して覚えるのではなく、イラストなどを使って、ネイティブが持つイメージで、直感的、感覚的に覚えることができる。

「DUO3.0」

単語学習でおすすめなのは、「DUO」だ。僕は大学受験時は、「システム英単語」を利用していたが、再び英語学習を始めるために、DUOを購入した。名前はよく聞いていたのだが、使ってみて、その学習効率の良さに驚いた。多くの人がイチオシし、「英語上達完全マップ」の中でも、英単語のおすすめ教材として紹介されている。

DUO型単語集とはこの単語集「DUO」をそのまま単語集のタイプ名にしたものです。「DUO」は画期的な単語集で、一つの例文の中に複数の単語を散りばめているので、単語を覚える時間と労力を著しく軽減してくれます。この秀逸な単語集の成功をみて、最近多くのDUO型単語集が出版されてきていますが、残念ながら、例文の質において本家本元のDUOに伍す単語集はまだ少ないようです。 (英語上達完全マップ●語彙増強=ボキャビル )

なぜDUOが優れているかと言えば、上にも書かれている通り、1つの例文の中に、複数の重要単語が散りばめているため、効率的に学習することが可能だからだ。

 Bob was so beside himself that he could scarcely tell fact from fiction.

(ボブはひどく取り乱していて、現実と虚構の区別がほとんどできていなかった。)

この例文では、「be beside oneself」「scarcely」「tell A from B」「fact」「fiction」 などの重要単語・熟語が含まれている。いわば、この文章を理解できれば、これらの重要単語を取得できるようになるのが、このDUOのすごいところだ。

また、この例文でも登場するボブは、なぜか毎回、例文の中で事故に巻き込まれ、おもわず笑ってしまう。このように、例文がストーリーとしても繋がっており、楽しく勉強できる。

3.瞬間英作文で英語回路を身につける

f:id:mimizunomizuno:20170118103246j:plain

ぼくが1ヶ月のフィリピン短期留学に行った時のことだった。留学前に、なにか勉強しておこうと思い、友達に勧められた1冊の本をやってみただけで、一緒に行っていた大学の友達と圧倒的に差がついた。それが「瞬間英作文トレーニング」だ。

ぼくはこれ一冊しかしていないのに、留学先で同じ大学の子に、「え、なんでそんなに英語できるの?」と驚かれた。正直、TOEICのスコアなどは圧倒的に自分が一番下だったのに、この本を留学前に実践したところ、「話す英語」としての基礎能力が身についていたのを感じた。

この本で身につけることができるのは、日本語を英語に瞬時に変換する、英作文能力である。本書に載っている構文は本当に中学生レベルの基本の文だ。しかし、まず自分たちが身につけなければならないのは、平易な文を瞬間的にかつ正確に作ることの出きる能力である。

例えば、以下の文を英文に変換できるだろうか?

君がどちらの車のほうがより良いのか言ってくれなかったので、僕は気に入った方を買った。

(解答例)

Since you did not tell me which car was better, I bought the one (which/that) I liked better.

これは、中学英語の知識でできる英作文である。 しかし、瞬間的に行うにはかなり負荷の大きい英作文ではないだろうか?英会話することにおいては、これの連続である。

「英会話」においては高度な英語は必要ない。というより、日本人は英文法ができすぎている。本書の構文を何度も繰り返し読み、パターンを覚え、英作文回路を身につけよう。

4.オンライン英会話でひたすら喋る

f:id:mimizunomizuno:20170118110026j:plain

瞬間英作文で英作文回路を身につけたら、さっそく実践しよう。おすすめは、オンライン英会話だ。喋る。ただひたすら、何回も繰り返して喋って実践しよう。日本人に足りないのは、圧倒的に喋ることであり、アウトプットする場だ。

留学に行かなくても、英語を身につけることは可能だ。オンライン英会話で、日本にいながら、しかも低コストで、英語を喋る機会を得ることができる。

個人的におすすめなのは、「ネイティブキャンプ」。このサービスは、月5000円で、Skypeなども必要なく、サイトから、しかも予約なしで、すぐに英会話を始めることができる。なんといってもすごいのは、レッスンの回数制限がないところ。

オンライン英会話サービスの比較をしてくれている以下のサイトが参考になる。

他におすすめなのは、DMM英会話 レアジョブ 。特に、DMM英会話は、様々な国籍先生がいて、講師の質が高かった印象が個人的にあった。

なによりも一回レッスンを受けてみるのがおすすめだ。どのサービスも無料体験ができる。おすすめのネイティブキャンプは、7日間の無料体験レッスンができる。DMM英会話 レアジョブ は、2回分のレッスンが体験できる。ぜひ活用してみよう。

日本人の圧倒的スピーキング能力の低さ

(この章は筆者の体験談のため、次へ飛ばしても問題無いです。)

昨年の春、アメリカへ2週間のホームステイに行った時、友達もいなかったので、現地の語学学校に少しだけ通った。それ以前に行ったフィリピン留学では、メリットの1つであるマンツーマンレッスだったが、アメリカの語学学校は基本的にグループレッスンだった。初めての体験だったので、とても楽しかったが、日本人のスピーキング能力の低さを改めて実感させられた。

ぼくが入ったクラスは、7人ぐらいの少人数教室で、その中に日本人女の子が2人いた。この2人は1ヶ月英語を学ぶため、一緒にこの学校に通い始めたそうだが、クラスの中で圧倒的に英語が喋れなていなかった。

先生が質問をしても、まず「え?どういう意味かな?えーっと」と言いながら、日本語をしゃべる。しかも、いつも2人でいるから、日本語で協力しながら、相手が何を行っているかを理解しようとする。しまいには他のクラスメートはすごく英語をしゃべれるため、相手がわからないことをいいことに、日本語で悪口を授業中に何度も行っていたから、それはすごかった。

しかも、グループレッスンだから、先生から質問されない限り、喋る機会がとても少ない。他のクラスメートは、基本的に意欲的だから、わからないことがあるとすぐ質問するし、自発的に英語をしゃべっていた。日本人はシャイだから、なかなか喋ろうとするのが難しいため、なおさらグループレッスンは難しい。

これだけ周りのレベルが高いのに、彼女達がこのクラスにずっと入れたのは、英語は喋れなくとも、英語は分かるからだ。わかったことは、日本人は圧倒的に周りと比べても英文法ができる。授業中、先生の質問がわからなくても、宿題を出されたら、ほぼ満点で回答できていた。しかし、他のクラスメートは全然文法ができない。だから、優秀であるとされ、そのクラスにずっといたのである。

ホームステイ先のマザーは、子供達に英語を教える先生をしているが、「日本人の大学生は、ほとんどが私たちより、TOEICなどのテストの点数は上だと思うわよ」と言っていた。

これからも分かる通り、日本人は座学においては、大学受験などである程度勉強して入れば、もう十分くらいなのである。しかし、圧倒的にしゃべる練習をしていない。さらに、シャイな性格だから、せっかく語学学校のグループレッスンをしても、喋る機会が全然取れず、英語を身につけることができないことが多い。

だからこそ、マンツーマンレッスンで、しかも日本にいながらスキーキングを伸ばせる、オンライン英会話を活用しよう。留学に行かなくとも、スピーキングは伸ばせる。なにより大切なのは、学んだことをいかにアウトプットするかだ。少なくとも、実際に喋って、英語を使えると思えるのは単純に楽しい。

5. 発音を身につける

f:id:mimizunomizuno:20170118110556j:plain

発音に関しては、初めはあまり気にしないでいい。なぜなら、上で書いた通り、日本人に足りないのは、喋る機会であり、アウトプットの場であるからだ。そもそも、発音の練習ばかりして、結局実際に喋る機会がなければ、結局ただのインプットだけに終わってしまう。

 

しかし、実際にオンライン英会話をやったり、外国人の友達と喋っていいると、なかなか聞き取れない言葉があることに気づいていくだろう。それに対して参考になるのが、以下である。

私は英語をきれいに発音することは非常に重要だと思っている。なぜなら、発音が上手くならないと、相手が何を言っているのか聞き取れないからだ。ヒトは言語音を耳にすると、自分で発音するとどうなるか脳内で仮想的に口の器官を動かし、そのシュミレーション結果を使って、その言語音を認識するらしい(認知と行動の密接な関係については、このエントリが参考になる)。

理屈はともかく、私自身は、発音をきれいにすることで、急に言語音がクリアに聞こえるようになった経験をしている。同様の経験をしている人は多いだろう。リスニングが上達すると、英語での会話が楽になるだけでなく、語彙を増やすのにも有利である。なぜなら、1つの単語を覚えるとき、綴りという視覚的情報だけでなく、音声としても定着するので、記憶に残りやすくなるからだ。

(引用: 英語上達の秘訣は発音練習にある - elm200 の日記)

理屈としては、「発音できない音は、そもそも聞き取れない」とは言ったもので、これは間違いない。また冒頭で紹介した、「20歳を過ぎてから英語を学ぼうと決めた人たちへ」のはるじぇーさんも以下のように述べている。

そこで、発音を身につけるのにおすすめなのは、「フォニックス」だ。フォニックスとは、簡単に言えば、日本語の50音を覚えるのと同じで、音と文字の関係の規則性を学部ために、英語を母国語とする子ども達のために、作られた伝統的な学習方法。以下のサイトが分かりやすく解説してくれている。

英語の文字と音のルール、フォニックスとは [子供の英語教育] All About

しかし、なによりも大切なのは、英語を喋ることだ。まずは、オンライン英会話などで積極的にアウトプットをする。そして、なんとか基本的な受け答えができるようになれば、発音の練習をしていくのが良い。

発音だけの練習はやはり、どうしても飽きっぽい。だから、実際にオンライン英会話で、発音の練習をお願いして、よい発音ができているかを見てもらうのもおすすめだ。

6. 語源を覚え、ボキャブラリーを増やす

f:id:mimizunomizuno:20170118110829j:plain

英語で何と言っても必要なのは、どれだけ英単語を知っているかだ。しかし、暗記にも限界がある。そこで、おすすめなのが、語源を覚えること。

例えば、"preview" という単語。もしこの単語を知らなくても、語源を覚えれば、以下のように推測することができる。

preview
→pre-「前もって」view「見る」
→何かを前もって見る

【意味】下見、試写会、プレビュー

このように「pre =前もって」と「view=見る」を覚えていれば、単語を知らなくても推測が可能だ。ただ単に英語を暗記するだけでは、 覚えられる英単語の数にも限りがある。この語源を知っているか、知っていないかで、ボキャブラリーの数も圧倒的に変わってくる。

語源で覚える単語帳もたくさんあるため、自分が気に入ったものを買えば良い。また「Gengo」というサイトもおすすめ。これは、例えば "preview" をこのサイトで検索すると、

  • "preclusion(阻止)" = pre-「前もって」 + clude「閉じる」+ ion「集まり」
  • "prefix(接頭辞)" = pre-「前に」 + fix「固定する」
  • "premise(〜を前提とする)" = pre-「前に」+ miss「送る」

などの、語源に関連した単語を紹介してくれる画期的なサイト。これらを利用し、効率的に楽しく、ボキャブラリーを増やしていこう。

7.  スマホで楽しく英語を学ぶ

f:id:mimizunomizuno:20170118111146j:plain

やはり英語を身につける1番のコツは、どれだけ英語に触れるかである。留学すれば、嫌でも毎日英語を使わなければならない。しかし、日本にいてはそれが難しい。そこで、スマホを有効に利用して英語を学ぼう。

1. Twitter留学

1つ目のおすすめは、Twitterの英語アカウントを作ること。おすすめした「瞬間英作文」で英作文の型を覚えても、日々アウトプットしなければもったいない。英語アカウントを作って、日頃から思ったことを英語に変換し、つぶやくのも一つのおすすめだ。

瞬間英作文をTwitterで実践する | フィリピン語学学校|フィリピン留学、セブ島留学ならサウスピーク

また、海外の有名人や、英語学習アカウントをフォローするのも、楽しく英語を学ぶコツである。おすすめは以下。

1. ドナルド・トランプ大統領

今話題となっているアメリカ大統領のTwitterアカウント。自分の関心があるものであれば、積極的に英語でも勉強する意欲がでる。

 

実は、トランプ大統領の英語は、小学生レベルくらいで、演説などは非常にわかりやすい。話題となっているCNNに関しての内容はさておき、英語を学ぶには、かなり参考になる。

www.youtube.com

 

2. 絵で覚える英単語カード

 英単語を写真付きで紹介してくれるアカウント。英単語を覚える際には、文字だけでなく、視覚的なイメージで覚えるのも一つのコツだ。

3. フラミンゴ - TOEIC動画毎日公開中

シチュエーションごとに、TOEICで間違えやすいフレーズを紹介してくれるアカウント。実際に発音も学べるからおすすめ。なにより紹介してくれる人がかわいいから、楽しく勉強できる。

2. Hi Nativeでネイティブの英語添削
HiNative 無料英語と多言語のQ&A, HiNative Trekも
HiNative 無料英語と多言語のQ&A, HiNative Trekも
開発元:Lang-8, Inc
無料
posted with アプリーチ

Twitterで英語をつぶやくのもいいが、実際に自分の英文があっているのか不安になる。そんな時は、「Hi Native」を使おう。これは、添削してほしい文章を投稿すると、アプリを持っているネイティブの人が、添削してくれるYahoo知恵袋のようなアプリ。

実際に使ってみると、3分も経たないうちに、丁寧に英文を添削してくれた。これは完全に善意で成り立っているので、添削してもらったら、相手の質問も添削してあげよう。TwitterとHi Nativeの組み合わせはかなりおすすめ。

f:id:mimizunomizuno:20170117181134p:plain

3. TEDで楽しくリスニング
TED AudioBooks-無料で英語をリスニング、リーディング、TOEIC対策にも-
TED AudioBooks-無料で英語をリスニング、リーディング、TOEIC対策にも-
開発元:Koujirou Inoue
無料
posted with アプリーチ

最後のおすすめは「TED Audio Books」。自分の興味のある、世界の一流プレゼンを英語で見れる。このアプリのいいところ3つ。

  1. 動画が字幕付きでがみれる。(日本語 or 英語)
  2. 英語 or 日本語訳がすぐ見れる。
  3. Audio Bookとしても使える。

 

通常のTEDのように、英・日の字幕をつけて動画を観れる。また、日本語、英語の訳文も確認でき、気に入ったトークを保存して、オフラインでもAudio Bookとして再生できるのがすごい。気に入った動画は保存して、何回も聞くことでリスニングを鍛えよう。

 

あとは実践するだけ

ここまできたら、あとはやるだけ。いいかげん、英語勉強法ブログを観て満足したり、英語取得の裏技探しをするのではなく、今すぐスマホかパソコンを閉じて、実践しよう。それでも、まだやる気が出ない人は、シャイア・ラブーフ先生に喝をいれてもらおう。

 

英語学習のメリットを確認しよう

やはり、英語学習で一番難しいのは、モチベーションを保つことだ。そこで、英語を取得することのメリットを把握するのも、モチベーションを上げるための一つの手である。ここでいくつかおすすめの記事を紹介しておく。

1. 英語を習得する本当のメリットを知っているか - LITERALLY

ブログ「Literally」のCatNoseさんの記事。これを見ただけで、今すぐ英語を勉強しなくてはと思ってしまうほど、どれだけ英語を習得することが価値あるものかが伝わって来る。

 2.  英文読解の勉強が辛くなったときにはこの記事を読んでください。

英語ができるということは、きっと世界を広げてくれるだろう。勉強するのは大変だけど、それはきっと楽しいことだ。

もし子どもが「なんで勉強しなきゃいけないの?」と尋ねてきたら私はこう教えてあげます。「勉強すれば、勉強していない人たちよりもずっと面白いことができるし、楽しい人たちと知り合うことができるからだよ」

3.  私が英語学習を通じて学んだ論理的な文章の書き方

英語ができることは、外国人とコミュニケーションがとれることだけじゃない。英語学習を通して、自分の言葉を磨いていこう。

その他参考になった勉強法

先ほども紹介したブログ「Literally 」さんの記事。英語の効率的な学習方法のみならず、デザインからライフハック、おすすめ雑貨まで、いつまでも見ていられる。効率的に英語を学習するコツや方法をまとめてくれている。

ブログ「STAY MINIMAL」さんの記事。この方も実際に「英語上達完全マップ」を実践し、使える英語を身につけている。実践したことを、事細かに紹介してくれているため、とても参考になる。

さいごに 

f:id:mimizunomizuno:20170119181423j:plain

ここまで、英語の効率的な学習方法についてまとめてきたが、やっぱり「英語」は手段でしかない。海外では、英語は喋れて当たり前で、もはや第2言語だけでなく、第3言語まで喋れる人なんてたくさんいる。ぼく自身も、去年アメリカに行った時、日本人の子供達が、英語と日本語を話す人によって使い分けるのを見て、この子達には勝てないなと思った。

結局、英語の学習も大事だけど、英語は自分の考えを伝える手段であり、大事なのは何をしゃべるかだ。だから、言葉を磨いていこう。英語という武器を身につけ、たくさんの情報に触れ、たくさんの優秀な人と会話しよう。そして、教養を身につけることで、自分の意見や、考えを育てていこう。

きっと、使える英語を身につけたということも自信になるだろう。その経験は、一生の財産になるはずだ。ぼくも、まだまだ未熟だから、一緒に頑張っていこう。

by みみずのみずの(@mimizunomizuno)

学問より、実学に重きを置いた大学生活で、ぼくが学んだこと

f:id:mimizunomizuno:20170111231634j:plain

2017年を迎えた。来年でぼくは大学4回生になり、一応就活という時期に入る。この3年間ではたくさんの活動をした。 

続きを読む

電通の一流コピーライターに学ぶ「自分の考えを言葉にするたった一つの思考法」

f:id:mimizunomizuno:20161226041256j:plain

「文字には不思議な力があります。」  

これは仲間由紀恵が主演を務めるドラマ「TRICK」にて、主人公の母親が登場するたびに喋るおきまりのセリフだが、これは事実だ。そして現代は言葉で評価される時代である。

amazonやメルカリ、食べログでは物や商品が、消費者の言葉であるレビューによって評価され、言葉の持つ影響力は今さらに大きくなっている。

私たちは言葉を用いて、自分の考えや、自分自身を知ってもらう。就活、プレゼン、また奨学金の申請書やバイトの面接、自分のやってきたことや、自分がどんな人物であるかを言葉で相手に伝える。

そういった場面で、伝えたいことがぼんやりあるのに、思っていたことがうまく言葉にできず、相手に伝わらなかったりした経験は、誰にも一度はあると思う。

しかし、人はもしうまく伝わっていない時には、「言葉遣いが下手だな」「もっとうまく言えばいいのに」といった言葉づかいを評価するのではなく、「言いたいことが薄っぺらだな」「深く考えられていないな」というように、それは相手の人格に対する評価をする。

つまり人間は、相手に言葉に宿る重さや軽さ、深さや朝さを通じて、その人の人間性そのものを、無意識のうちに評価してしまうこととなる。

ぼくが最近までインターンしていた会社では、メンターの方に僕が書く文章についてかなり指導された。確かに僕の文章力は酷いことは過去のブログを見ればわかるだろう。しかし、僕が書く文章には難があるというレッテルを貼られ、そこまで言うか?というぐらい、とても厳しく指摘をもらった。

いまではそれだけ厳しくしてもらった意味がわかる気がする。人は文章や何をしゃべるか、つまり言葉で人を判断し、それが薄っぺらであれば、それは人からの信用さえも失うのだ。言葉にできるとは、つまり何かを理解していることであり、言葉にできないと言うことは、考えていないことと同じである。

そこで今回、自分の考えを言葉にする力をどのように身につけるかについて参考になったのが、電通のトップコピーライター・梅田悟司さんの著書『「言葉にできる」は武器になる。』である。

筆者である梅田さんは電通に10年以上勤め、カンヌライオンズ、グッドデザイン賞、観光庁長官表彰など国内外30以上の賞を受け、有名なコピーライティングに、ジョージア「世界は誰かの仕事でできている。」「この国を、支えるひとを支えたい。」、タウンワーク「その経験は味方だ。」「バイトするなら、タウンワーク」などがある。

現在、多くの人がうまく喋るコツやたスキルに頼っているが、それでは本当の力はつかない。本当に大切なのは小手先のテクニックではなく、自分の意見であり、本書で何度も出てくる『内なる言葉』に気づき、これを磨くことだと、筆者は本書で主張している。

ぼくは、言葉の重要性を再確認し、それをどう磨くかについて書かれた本書に大変感銘を受けた。実績あるコピーライターの経験を学び、自分の考えを言葉にする手段を学ぶことは、今後大きな財産となるだろう。

  1. 内なる言葉に向き合う
  2. 考えを言葉にする「思考サイクル」 
  3. 言葉にするプロセス

本書は、この3つで構成されており、今回は特に上2つについて紹介する。今回は書評ではなく、要約のため、具体的な方法論の説明についてまとめた「2.思考を磨く方法」は特に分量が多い。これをぼくが実践した結果が、最後に書かれているため、忙しい人は2章目を飛ばしてもいいかもしれない。

内なる言葉に向き合う

f:id:mimizunomizuno:20161226052752p:plain

内なる言葉

筆者は本書で、多くの人がうまく喋るコツやたスキルに頼っているが、それでは本当の力はつかない。本当に大切なのは小手先のテクニックではなく、自分の意見であり、本書で何度も出てくる『内なる言葉』に気づき、これを磨くことだと主張している。

言葉が意見を伝える道具なのであれば、まず意見を育てる必要がある。つまり、言葉というのは思考の上澄みにすぎず、いくら小手先のテクニックを学んだからといって意味がない。大事なのは自分の考えである意見を育てるべきだということだ。

筆者は10年のコピーライターのキャリアで、本書のキーワードとなる「内なる言葉」の存在に気づき、あらゆる局面でコミュニケーションが変わったといっている。

言葉には2つの種類がある

言葉には2つの種類がある。それは「外に向かう言葉」と「内なる言葉」である。そして、多くの人がスキルに頼り、外に向かう言葉しか意識できていない。

言葉が意見を伝える道具であるならば、まず、意見を育てる必要がある。

この前提に立つと、言葉を生み出すプロセスには、①意見を育てる、②意見を言葉に変換する、という2段階が存在することに気づく。

この2つを比べた時に意見を言葉に変換する方がイメージしやすく、効果があるように感じられる。しかし、そもそも自分に意見がなければ、何を言葉にするのだろうか。これこそが、咄嗟に思いついたことを口にすることや、相手の言葉に反応するように返事することしかできず、その結果として不理解や誤解による「この人は何も考えていないな」という一方的なレッテルが生まれてしまうと筆者は主張する。 

では、意見を育てるとはどういうことで、それはどうすれば可能なのだろうか。その重要な役割を担っているのが、「内なる言葉」である。人は、考えが浮かぶ時、言葉で疑問を持ち、言葉で考え、言葉で納得できる答えを導き出そうとしている。こうしたあらゆる「考える」という行為において、発せられることのない「内なる言葉」を用いている。

例えば、コーヒーが暑かった場合には、脳の中で「アツッ!」と言い、本を読んでいる際に納得することがあれば「確かに」と言い、休日何もせずにダラダラとしてしまったら、「1日を無駄にしちゃった」と言っている。

このように言葉を話す、聞く、入力するなどの具体的な行動を伴っていないとしても、頭の中で言葉を使っていることに変わりはない。

そして「考える=内なる言葉を発している」を意識できるようになると、「外に向かう言葉」の制度は飛躍的に向上する。なぜなら考えている時に使っていた内なる言葉をタネとして、外に向かう言葉を紡いでいけばいいからだ。

ここで、今までの

  1. 意見を育てる
  2. 意見を言葉に変換する

というプロセスは次のように定義することができる。

①「内なる言葉」で意見を育てる

物事を考えたり、感じたりする時に、無意識のうちに頭の中で発している言葉。それが内なる言葉である。あらゆる感情が頭に浮かぶ時には必ず、この内なる言葉を伴っている。

内なる言葉は外に向かう言葉の核になっているのだが、意識しなければ、その関係性に気づくことは難しい。

自分と対話するということは、内なる言葉を用いて考えを広めたり、深めたりすることと同義である。つまり、内なる言葉を用いて考えを広めたり、深めたりとすることと同義である。内なる言葉の語彙力が増えるほど、幅を広げ奥行きを持たせるほど、思考が進んでいる状態といえる。

②意見が変換された「外に向かう言葉」

外に向かう言葉とは、一般的に言葉と呼ばれているものである。

自分の意見や思いに言葉という形を与えたもので、主に他者とのコミュニケーションをとる役割を担っている。相手との接点となり、意思疎通を行う道具である。

内なる言葉と違い、情報を受け取る相手が存在している。投げかけることによって、相手が反応したり、自身が評価される言葉である。

言葉を磨くには?

言葉を磨く方法について、本書の第2部で思考サイクルについて筆者は説明する。しかし、なによりもまず「内なる言葉」の存在を認識することだけで、意見は格段に成長すると主張する。そのことを知っただけでも、今回大きな財産を得たと言ってもいいだろう。これは本書の以下のような例で説明される。

かの有名な浮世絵作家である歌川広重は「大はしあたけの夕立」という作品の中で、世界ではじめて歌を戦で表現したと言われている。それまで絵画において歌そのものは描かれることはなく、傘やレインコートを着ている人物や、水が溜まり濡れた地面を用いて、雨が降っている状況を描写していた。

しかし、本作品が発表されてからというもの、雨を線で描くという表現が一般的になっていった。つまり、歌川広重の作品によって「雨は線のように降っていたんだ」と気づき、認識するようになったのである。新しい表現手法が生まれただけではなく、新しい視点がもたらされたのだ。

現代を生きる私たちにとって、雨は線以外の何物でもないように感じているが、それまでは「雨が降っているな」と漠然としか捉えられていなかった。

内なる言葉の存在も同様である。その存在を一度認識することができれば、もう二度と見えなくなることはない。

 正しく考えを深める思考サイクル

第1章では内なる言葉に気づくことを学んだ。しかし、それだけではもったいない。第2章ではこの内なる言葉を磨くための具体的な方法を学ぶ。

結論から言えば、内なる言葉を磨く唯一の方法は、自分が今、内なる言葉を発しながら考えていることを強く意識した上で、頭に浮かんだ言葉を書き出し、書き出された言葉を軸にしながら、幅と奥行きを持たせることである。

これは一度話題になった「0秒思考法」と似ている作業である。これについては下記のブログが参考になる。ブログ筆者は「0秒思考法」を2年間実践している。


今回の筆者のやり方は「内なる言葉を磨く思考サイクル」といわれる3つのステップで、思考をより深める作業である。その3つのステップとは

  1. アウトプットさせる
  2. 拡散させる
  3. 化学反応を起こす 

である。これをやる理由についてはぜひ本書を読んでほしい。より理解が深まるだろう。今回はその具体的な方法を説明する。上記の3つのステップを具体的な7つの手段で行なっていく。

課題設定

はじめるにあたって、まず今自分が最も解決したい課題を考えよう。例えば、「本当にやりたいことは何か?」、「人生のゴールは何か?」、「どんな恋人と付き合うか?」、「どんな仕事に興味があるのか?」、「今の悩みはなにか?」など、とにかくなんでもいい。まずは簡単な課題設定をして取り組むのが一番だろう。

1.アウトプットさせる

 用意するもの以下の2つだけだ。

  • A4サイズの1枚紙(綴じているものはだめ)
  • 太めのマジックペン

この際、ノートのような髪が綴じてあるものはだめだ。理由は3つ。

  1. その全てを机に広げることによって、自分の頭の中を俯瞰してみられるようにするため。 
  2. リズムよく、次々書いていくため(ノートの場合、罫線に沿ってどうしても上から下になってしまう)
  3. 大きな文字で書けるため(文字の大きさは自身の大きさに比例する)  

おすすめは無印良品の再生紙落書き帳だ。100枚92円なので、枚数を気にせず次々と紙に書ける。

用意できたら、設定した課題にそって、内なる言葉をとにかく書き出すことだ。内なる言葉を1ページごとに書く。とにかく書く。それ内なる言葉の解像度をあげることに繋がる。

f:id:mimizunomizuno:20161226044424j:plain

例えば、いま新しいことを考えたとしよう。その際、いざ相手に話す、もしくは文章にしようとした時に、うまく言葉にできないことがよくないだろうか?この状況に至る理由は3つである。

  1. 頭がいっぱいになった = よく考えたと誤解してしまう
  2. 思考が進んでいくと、最初に考えたことが忘れてしまう 
  3. 断片的で脈絡もなく、考え散らしていることに気づいていない 

原因がわかれば解決することは容易である。頭の中のあらゆる考えを外に出し、形を与えることで、どれだけ自分が考えているかを把握することができるようになる。一度考えたことを記憶する必要もなくなり、「せっかく考えたのに忘れてしまった」といったこともなくなる。

これが、とにかくA4の紙に内なる言葉を書き出す理由である。とにかく書く。髪がもったいないと思っても書く。その1枚1枚が自分自身であり、自分を知り、内なる言葉を磨いていくことに繋がる。

スペースがない人は、付箋とノートを組み合わせる

f:id:mimizunomizuno:20161226043902j:plain

スペースがない場合は、A4用紙の代わりに、付箋を用いて、それをノートに貼っても良い。実際このブログ記事は付箋に書きたいことをまとめ、ノートに貼って書いた。よく文章は書く前に決まる、とは言ったものだが、今回まさにこれを実感した。まず自分の伝えたいことを書き出し、それに文字を装飾することで、いつもよりもスムーズに文章にすることができた。

しかし、内なる言葉を磨くという点において、思いついたことを次々書いていくには、やはりA4ページの方が適している。付箋であればかけるスペースが限られているため、どうしても思ったことを次々と書くのは困難である点に注意が必要である。

2. 拡散させる

A.考えを進める 

ステップ1で書き出された内なる言葉は、これから考えを進めていく、つまり、内なる言葉を磨いていく過程における出発点と考えて良い。そしてこれから、「なぜ?」「それで?」「本当に?」の3つのキーワードで、内なる言葉を拡張し、解像度をあげていく。

やることは、先ほど書き出した1枚1枚の言葉に対して、「なぜ?」「それで?」「本当に?」と問いかけ、言葉を拡張するのである。その時に浮かんだ内なる言葉はしっかりと書き出す。

この状況を図にすると①で得られたことばを中心に「T」の字になるため、筆者は「T字型思考法」と名付けている。では、このそれぞれについて説明する。

1.「なぜ?」: 考えを掘り下げる

なぜそのように考えるのか、内なる言葉が浮かんだのかを自分自身に問いかけることで、思考を深めていく。自分の根本や、思考の源泉、そもそも持っている価値観に迫っていく。「なぜ?」を繰り返すことで、考えを掘り下げ、より抽象度の高く本質的な課題について考えていくことができるようになる。

2.「それで?」:考えを進める

「それで?」の後には「結局何が言いたいの?」「結局何がしたいの?」「結局どんな効果があるの?」と言った言葉が隠れている。そのため、今考えていることが実現されることで、どんな効果を生むのか、どんな効果を得られるのか、果たして意味があるのかを考えることで、思考を前に進めていくことが可能である。

3. 「本当に?」:考えを戻す

自分が考えていることに対して疑問を持つことは、「建前だけで考えていないか?」「それは自分の本音なのか?」「本当に意味があるのか?」について考える布石になるため、一旦冷静になり、考えを戻す効果を持っている。その結果、今まで考えが及んでいなかった違う方向についえ考える余地を生み出すことができるようになる。

例えば、「自分がこれからどのように生きていきたいか」の中で、「仕事で成功したい」という言葉が出てきた場合のT型思考法を行った場合以下のようになる。

まず「なぜ?」で考えを掘り下げると、「やるからには本気でやりたい」「同期には負けたくない」「評価されたい」「昇進したい」と言った言葉がうまれるので、その1つひとつをまた書き出していく。

2の「それで?」で考えを進めていくと、「社会を良くしたい」「クライアントを満足させたい」「社会で評価されたい」となる。

3の「本当に?」で考えを戻してみると、「とはいえ、自分の時間も大事にしたい」「仕事だけじゃなく家庭も大事にしたい」「成功っていうより、いい仕事をしたい」となるだろう。

とにかく大事なのは、T型思考法で、考える幅を広げ、奥行きを深めることにより思考を進め、内なる言葉の語彙力と解像度をあげることである。そのため内なる言葉を書き出し続けよう。今回のステップでは、同じように新しい紙に書き出し続けることだが、ぼくの場合、1つの書き出した内なる言葉に対してT型思考を行い、その紙に浮かんだ言葉を書き出していった。

理由はどうしても紙が多くなることであるけれども、大事なのは内なる言葉を書き出すことであるから、このようにした。

B. 分類する(グルーピング)

次は、Aで広げた考えを整理していく段階である。最初に行うのはいたって単純で、髪を順に見ながら「これは別の考え方をしているな」と思った言葉をいくつかの塊に分けることから始めていく。全ての紙を分類し終えたら、もっとも枚数の多い束、つまり、もっとも考えていた方向の束を手に取り、もう一度分類作業を行う。

分類する、見直すという作業を3回ほど繰り返すと、ほぼ正しくグルーピングできているようになる。1回だけでは全体を俯瞰して見切れていないことが多いため、少なくとも3回は見直すようにしよう。

次は、方向性を意識しながら、その中の順番を入れ替えていく作業である。具体的には、まず分類された塊を髪の枚数が多い順に左から右へと間を空けて置いていく。違う視点によって生まれている内なる言葉を、横に並べるのだ。

次に、それぞれの髪の束を手にして、その中でも近いものをさらに分類しながら、より本心に迫っているものや、確かにそうだなと感じられるものを上から順に並べていく。

これをすることで、自分がどれだけの幅で、どれだけ深く考えているかを把握できるようになる。この縄目を細かくしていくことが、内なる言葉の解像度を高めることにつながるのだ。

同じ仲間をグルーピングする作業は、できるだけ大きな机で行うのが望ましい。会社に勤めている人は会議室を用いるといいだろう。家庭で行う場合は、ダイニングテーブルや床に置いていくのも有効だ。

f:id:mimizunomizuno:20161226045044j:plain

ぼくは実際大学の図書館でやったのだが、やはりかなり大きめの机が必要だった。この際、意識高い系に見られているのではないかと恐れず、断固たる決意で作業を進めること求められる。

C. 足りない箇所を埋める

ここまですると、自分の思考にどこが足りないかが見えてくる。そこで行うのは考えの足りない方向性について、つまり、横のラインに意識を向けそれを広げることだ。内なる言葉を書き出して整理してみると、自分のことばかりを考えている人と、相手のことだけを考えている人に二分されることが多い。

例えば、就職や転職活動において、志望理由や、自分の強みを考えているのであれば、どうしても自分をアピールしたい気持ちが先行してしまう。そのため、実際に行ってきた経験や経歴に関する思考に偏りやすい。そうであれば、自分に何ができるかを、会社に社会にどう貢献できるかに結びつけて考えるだけで思考の幅は一気に広がる。

このように客観的に自分の思考を俯瞰することができれば、横のラインを広げることが可能であり、それもしっかり書き出そう。

この次にするべきことは、それぞれの方向性に対して考えを深めていくことである。つまり、縦のラインを意識して考えを深める作業である。これも同じようにT型思考法を用いて、考えを深めればよい。この際、最初に行ったT型思考方と違うのは、最初は一つ一つの内なる言葉に対して、考えを進めていくことだったのに対して、今回はグルーピングされた一つの方向性やコンセプトに沿って考えを深化させるものである。

これもまた、内なる言葉を書き出すことだ。ぼくの場合、グルーピングし、新しくA4の紙にグループ名を書き、その紙にT型思考を行って内なる言葉を書いていった。

   f:id:mimizunomizuno:20161226045521j:plain

3. 化学反応を起こす

ここまでのステップを行えば、かなり思考が深まったであろう。ここからはさらなる発展として、自分の思考に化学反応を起こしていく。

A. 時間をおいてきちんと寝かせる

いままでのステップで、自分の頭がどのようになっているかを把握できるようになり、視野を広げるようになるもなる。この次に行うのは、何もしないことである。時間をおくのは2〜3日ぐらいが良いとされている。常に1つのことを考えていると、無意識のうちに考えが狭くなってしまったり、冷静な目線を持つことができなくなることがあるからだ。

もう一つに、セレンディピティが起こるのを待つことである。ある一つのことを集中して考えた後、全く別のことをしている時に有益な情報を得たり、ふとした瞬間に答えが浮かんだりすることがある。この求めずして思わぬ発見をする能力のことを「セレンディピティ」と呼ぶ。日本語では「計画的偶然性」と呼ぶ。

これは、日頃から課題意識と行動によって潜在的に情報感度が高くなり、気づく力が強化された状態と言える。つまり、無意識の意識が、目の前で起きる事象に意味を与えるのだ。

これまでのステップを行えば、自分が考えていたテーマに関するアンテナを立てたことにつながり、情報感度が自ずと高くなっていく。そのため、ふとした時に五感から入ってくる情報を元に、瞬間的に問題が解決してしまったり、ひらめきを得ることになる。

これは有名ブロガーのちきりんの言う「思考の棚に置いておく」こととも似ている。

世間では、なにかを見たり聞いたりしたときに、すぐに気の利いた意見が言える人のことを「頭の回転が速い」と言います。周囲の人は、「今得た情報をもとに、こんなに短い時間であんなにおもしろいことを考えつくなんて、頭の回転がとても速い人だ!」と思うのでしょう。しかし、実際にはそれらの人の多くは、その場で考えているわけではありません。 待っていた情報が実際に手に入ったとき、彼らはそれを頭の中の思考の棚にまるで〝ジグソーパズルの最後のピース〟をはめ込むようにポンと放り込んだうえで、「その情報が存在したなら、こういうことが言えるよね」と、すでに考えてあった結論を「思考の棚」から取り出してきているのです。 つまり、それは、彼らの「頭の回転の速さ」を示しているのではなく、「思考自体がすでに完了していた」ことを示しているのです。

B. 真逆を考える。 

十分な時間を置いて寝かせた上で行うべきは、足りない箇所に気づき、作業である。時間を置き、頭が一旦リセットされた状態のため、考えたばかりの時と比べて客観的にヌケモレ気づくことができる。そこで次のステップとして行うのが真逆を考えることである。

いままで行ったのは、あくまでも「自分の常識の範囲内」でしかないのだ。そのため、真逆を考えることで「自分の常識では考えないこと」「考えられなかったこと」へと思いを馳せる。つまり、これは自分の常識や先入観から抜け出すことにつながり、半強制的に別の世界へと考えを広げることなのである。

では、この真逆を考えるとは、どういうことなのだろうか?「真逆=否定」というイメージがあるかもしれないが、それは逆の軸の1部に過ぎない。具体的な真逆の発送法としては、「否定としての真逆」「意味としての真逆」「認証としての真逆」がある。

1. 否定としての真逆

これは「〜でないもの」を見つけてやればいいので非常に簡単である。

(例) 

できる – できない

やりたい – やりたくない

好き – 無関心 – 嫌い

 

2. 意味としての真逆

否定ではなく、相対する意味を持つ方向へと考えを進める。否定を半ごと捉えるならば、意味としての真逆は対義語である。

(例)

やりたい – やらなければならない

希望 – 不安

本音 – 建前

 

3. 人称としての真逆

誰かの視点から物事を考えているのかを広げていく。

私 – 相手 – 第三者 

主観 – 客観

ひとりきり – 大多数

これらを使い、「自分がこれからどのように生きていきたいか」を例にすると以下のような真逆を考えられる。

(例) 

仕事で成功する – 成功ではなく、いい仕事をする

自分磨きを怠らない – 仕事で自分を磨く

同期で一番になる – 同期なんて気にせず、自分と向き合う

ここで、自分の内なる声を書き出すことが目的なのに、なぜ真逆を考える必要があるのか疑問に思った人も多いだろう。自分の意見の真逆を考えることは、つまり、他の自分の意見に対して、他の選択肢も考慮ができているということだ。

「私の意見は〜である」と主張した場合と、「他の選択肢も考慮したが、私は〜だと思う」と主張した場合では説得力が違うのは明らかだ。真逆を考えられると言うことは、この人はしっかりといろんなことを考えた上で発言している、と捉えてもらえることにつながるのである。

C. 違う人の視点から考える

自分の常識や、先入観を疑い真逆を考えることができたならば、様々な人の立場になって考える手段に入る。最後のステップは、特定の誰かを思い浮かべることで、その人になりきって、ある課題や物事をどう考えるかを想定してみることである。

f:id:mimizunomizuno:20161226053200p:plain

(出典: https://matome.naver.jp/odai/2147640749333957101/2147640794534442603)

「君の立場になれば君が正しい。僕の立場になれば僕が正しい」 

これはミュージシャンのボブディランが残した言葉であり、自分の視点だけではなく、相手の立場から物事を考える重要性を的確に表現している。

人間関係や恋人との関係を考えているならば、その相手になりきり、相手の中に浮かんでくるであろう内なる言葉を掴み取るようにしてみればいい。また仕事のことならば、自分の上司や部下、同僚、クライアントや取引先の人の視点に立ってみる。この複眼思考を行うことで、自分自身の内なる言葉の中に、自分以外の内なる言葉が追加されることになり、より広く物事を考えられるようになるのだ。

世の中は広く、多くの人が存在している。もちろん、第一に重要なのは自分自身の考えである。そのため、自分自身の頭の中に浮かぶ内なる言葉と向き合い、丁寧に汲み取り、一言一言を1枚に書き出していくしかない。自分のことがある程度把握できるようになってきたら、他者が何を思うのかにまで、想像力を働かせながら、自分の頭の中に取り組んでいくことだ。

長くなったが、これで正しく思考を進ませる具体的な7つのプロセスについての説明を終えたい。本書ではこの後「言葉にするプロセス」について第三章に進む。しかし、筆者はこのプロセスは、中学までの国語で習うレベルであるため、そこまで重要ではないと主張している。なにより重要なのは、内なる言葉に気づき、それを磨くことであるからだ。

もちろん第3章も、本の3分の1を占めるボリュームで、内容はもちろんとてもおもしろい。興味がある人は是非読むことをおすすめする。

ぼくが考えたこと 

国語こそが、我々の祖国

   f:id:mimizunomizuno:20161226050222p:plain

「人は国に住むのではない、国語に住むのだ。『国語』こそが、我々の『祖国だ』」

 これは、ルーマニアの思想家、エミール・シオランが述べた言葉ですが、ぼくは今回、この1節こそ「言葉」、「国語」の重要性を表しているのだな、と改めて感じさせられました。

この1節は、世界中でたくさんの人気を集めたゲーム「メタルギアソリッド・ファントムペイン」でも用いられています。このメタルギアシリーズの第1作目は、1987年に発売され、世界中のユーザーを魅了し、のちに数々の後継作が登場しました。メタルギアがこれだけ世界で愛される理由の一つが、そのテーマ性にあります。

どの作品もユーザーに伝え、考えてほしいMEME(物語)があり、このシリーズの最新作である「メタルギアソリッド・ファントムペイン」のテーマの一つ、それが「言葉」でした。

本作品に登場する悪役の一人、スカルフェイスは、子供の頃、小さな村に生まれ、なんども戦争に巻き込まれました。彼は、その村の支配者が変わる度に、彼らの言語を教えられ、自分の母国語を話すことを禁じられます。言葉は、性格や、ものの考え、善と悪さえも変えてしまいます。彼は戦争で何もかもを失いました。そのことがきっかけに、世界の共通言語である「英語」を駆除することで、世界を解放しようとする。これがこのゲームのストーリーの一つです。

www.youtube.com

英語よりも国語

近年、スキルとしての英語を身につけることが重要視されています。ぼくもまた、プログラミングや英語などのスキルを学んだり、プレゼンやコミュニケーションのテクニック本をよく買っていました。

しかし、どんなスキルを身につけたとしても、例えば英語はコミュニケーションの手段でしかないし、そもそも何を考え、何を述べるかが重要です。英語は手段でしかないとはよく言ったものですが、今回改めてそのことを実感することとなりました。

そう考えると今までやってきたことは、小手先のテクニックばかりだったと、反省するばかりです。日本で生まれ育ったなら、何を考えるにしても日本語で考えます。たとえ英語で会話するとしても、頭の中では日本語で考え、それを英語に変換し、相手に伝えます。

いまやインターネットにある情報は、ほとんどが英語ベースであり、英語が世界共通言語となっています。ネイティブは英語で情報を見聞きし、英語で考えます。しかし、日本人の自分は英語で情報を取得し、それを日本語で考え、発言します。この時点においても、ネイティブに劣るのは明らかです。

では何を磨くべきか。それはもちろん日本語としての国語力であり、その思考を広げるには、語彙力を学ぶべきでしょう。以下はpresident onlineの記事の一部です。

母語はあらゆる知性的・情緒的なイノベーションの培養基である。私は母語によってしか「喉元まで出かかったアイディア」を言葉にすることができない。後天的な努力によって英語で読んだり、書いたり、話したり、場合によっては考えたりすることも可能だが、英語で“創造する”ことはできない。母語を話すときだけ、私たちは「それまで存在しなかった語」や「それまで発音されたことのない音韻」を口にすることが許される。

(一部省略)

母語は話者に思考の自由、アイディアの創造を保証する。だから、母語が国際語である人々はその時点ですでに国際競争におけるアドバンテージを握っているのだ。英語が現在国際共通語であるのは、イギリス、アメリカという英語国が20世紀世界の覇権国家だったからである。それにインターネットの共通言語が英語になってしまった。これによってかつては国際共通語として競合していたフランス語、ドイツ語はその地位を失った。

(引用: http://president.jp/articles/-/9666?page=2)

また国語の語彙力の重要性は以下のようにも言われています。

特に国語とは全ての知的活動の根源である。国語は、思考の結果を表現する手段であるばかりか、国語を用いて思考すると言う側面もあるから、ほとんど思考そのものと言ってよい。これが十分な語彙と共にきづかれていないと、思考が不可能となる。 

(祖国とは国語(新潮文庫)より)

仮に英語がそこまで上手でなくても、大切なのは何をしゃべるかです。喋る内容がしっかりとしたものであれば、少し文法が間違っていたとしても問題ではありません。そこで参考になるのが、ソフトバンク社長の孫さんどインタビュー記事です。

www.youtube.com

彼の英語には、多少の文法的な間違いが指摘されています。しかし、彼の発言の一言一言には、とても説得力があるのを感じさせられます。それは彼が社長であるという事実を知っているからなのもあります。しかし、なにより孫さん自身が、自らの経験に基づいて、意見を発言しているからなのでしょう。選ぶ1つ1つの言葉に重みを感じます。

brighture.jp

言葉を磨くには?

では、どのように言葉を磨くのか。それが今回紹介した本書の内容であり、つまりは、内なる言葉に気づくことです。そして、自分の内なる言葉を書き出し(アウトプット)、思考を深めることが大事なのでしょう。

実際ぼくはこれを実践することで、日々の思考がより深くなったのを感じています。特に、第2章で紹介される「それで?」「なぜ?」「本当に?」と自分に問う、T型思考法を日々行うことで、自分との対話が増え、それはまるでメンターにコーチングされていた時のような感覚が、日常で身についた気がします。

ぼくはタスクをこなす上で、とにかく目の前のことにすぐ手を出す癖がありました。しかし、それでは闇雲に行動しているだけで、「仕事をしている気でいた自分」がいました。大事なのは「どんな選択肢の中で、それを選択し、それを行うことで、どんな結果が期待されるか」。これをを考えることでした。

これは、急に身につくことではないでしょう。おそらく筋トレと同じようなもので、日々の生活で「なぜ?」にこだわり、どんなことにも疑問を持って行動することが、1番の近道だと思います。

そしてこの思考をより深く、広くするには、語彙力、つまり国語を鍛えることです。語彙力を鍛え、表現の幅が広がることができるというのはつまり、他の表現との違いを理解していることです。違いを理解できるということは、他の選択肢を考慮できていることに繋がり、これが思考の深さに繋がります。

この思考を鍛えるのが、今回紹介した思考サイクルと呼ばれるものです。しかし、思考を鍛えるのはこれに限ったものではないと思います。大事なのは、内なる言葉に気づき、それをアウトプットすることです。

それはブログで自分の意見を書くことや、Twitterで日々自分が思ったことを発信することも一つでしょう。それはホリエモンこと堀江貴文さんが、近畿大学の演説でも述べていることでした。

自分で出来るだけ多くの情報に接することがまず大事です。そのためのツールは揃っている。別に先生に教わらなくても、自分で、たとえばスマートフォンのニュースアプリを使って情報に接することも出来るし、ソーシャルネットワークを使って、世界中の、自分が「面白いな」「この人の話聞いてみたいな」っていう人たちの情報にすぐに辿りつくことができます。簡単です。まず、自分で情報をーー世界中の素晴らしい頭のいい人たち、先を行ってる人たちの情報をーー、触れることができるので、まず、そのことを頭の中に入れておいてください。

そして、それだけじゃダメです。これからは、そうやって仕入れた情報を、自分の頭で考えて、そして自分で発信して、頭の中を整理して自分で考える癖をつけていかなければいけないです。それはどうやってやるのか?簡単です。インターネットでブログやら、ソーシャルネットワークやら、そこで毎日発信し続ければいい。非常に簡単なことです。それをできれば毎日やってほしい。そうすることによって、世界中の様々な情報を自分で頭の中に入れて考えて自分なりの判断ができるようになると思います。(引用 :堀江貴文さんの近畿大卒業式スピーチ 全文書き起こし - 単純に狩り)

誰かの言っていた知識を鵜呑みにするのではなく、たくさんの情報にふれ疑心暗技になりながら、自分の意見を作り、それを言葉にすること。そんなことが本当に大事なんだと、強く感じました。日々精進していきたいです。