mimizunoBlog

何気ない日々から学びを受け取るブログ

就職活動で問い始める、自分とは何か?

f:id:mimizunomizuno:20190303212027j:plain


最近ちゃんと就職活動をし始め、自己分析というものに取り組んでいます。

就活生の多くの人がまず取り組むのが自己分析です。本当に自分がしたいことを掘り下げること、そしてなぜその企業を選んだかを説明できること、これが自己分析が大切な側面の一つだと思います。

僕も就職活動を始める前は、「なんだよ自己分析って...」と思っていましたが、これが驚くべきほど大切なことに気づきます。

就活での企業選びはあくまで手段です。自分が本当にやりたいこと、もっと言えば人生の目的を達成するために、企業を選ぶのが理想的な形です。それを考えるにはまず「自分とは何か」を問い続ける必要があります。

人生の目的というと壮大な話に聞こえます。よくあるのは「貧困を解決したい」「海外で働きたい」などですが、「家族を幸せにしたい」も立派な目的です。大事なのはその目的に至った「なぜ」を深掘ることです。

実際にやってみると、この自己分析という作業は決して簡単なことではないことに気づきます。人は普段無意識に行動し続け、その理由を考え、振り返ることは多くありません。

しかし、自分の興味、関心、何に感動したのか、どういう環境で育ったのか、なぜあの時あの決断をしたのか?などのようになぜなぜと深掘っていくと、自分が何を求めているのか、なぜそういう価値観になったのか、などのように自分という存在が浮き上がってくるようになります。

そして時には、人に認められたい、モテたい、よく見られたいなどしょうもない理由で自分の行動を正当化しようとしていることにも気づきます。(また、僕の場合は、ほとんどが認められたいという欲求にたどり着き最近びっくりしていますorz)

「自分とは何か?」これについて、「スタンフォード大学 マインドフルネス教室」の第3章「本当の自分」で、面白い箇所がありました。

著者のスティーブン氏はスタンフォード大学の授業の最初で、「あなたは誰ですか?」という質問をします。そして、これに対する質問に意見が出やすいよう、人気のコメディーの1シーンを見せます。

そのシーンは怒りの抑制を学ぼうとするセラピーグループの中で会話が行われるところ。ファシリテーターは新しくメンバーとなった男に一見簡単そうな、こんな質問を投げかけます。

「それじゃあデイブ、話してくれ。君は誰だね」

 

デイブは答えます。

「僕は大手ペット製品会社の課長代理で...」

 

ファシリテーターは話を遮ります。

「何をしているかを聞いてるんじゃない。君が何者か話してくれ」

 

デイブは言います。

「あぁ、では、僕は少々テニスをするのが好きで...」

 

ファシリテーターが再び彼を止めます。

「君の趣味じゃないんだよ、デイブ。私が知りたいのは、君が誰かってことさ」

 

窮地に立たされた様子のデイブ。

「わかりません。質問に答えようとしてるんだけど、どうやったらいいかわからないんです。よかったら良い答え方の例をもらえませんか」

と言うと、グループの他のメンバーを向いて尋ねます。

「君はなんと答えたんだい?」

 

ファシリテーターは嘲笑います。

「君はジョーに、自分が誰なのか教えてもらおうっていうのかい」

 

すると皆んなが笑います。デイブは目に見えて動揺します。

「いえ、僕はその...のんびりしたいいやつで、時には冷静さを失うこともあるかもしれないけれど」

 

だがファシリテーターはまたもや彼を遮ります。

「デイブ、君がしているのは君の性格の説明だ。私が知りたいのは、君が誰かということなんだよ」

 

ついにデイブは怒りを抑えきれなくなって、感情を爆発させる。

「あなたが何を言わせたいのかわからないんだよ!」

 

ここまでが本書で紹介されるコメディーのストーリーです。 これはあくまでコメディーの話ですが、もし実際に自分がこんな質問をされたなら、うまく答えられるでしょうか?場合によっては、自己否定された気分になるでしょう。

しかし、この話は「自分とは何か」という単純な質問の奥深さを示すとても良い例であると著者は主張します。

僕たちは、自分を説明するのに、所属や学校、会社、といった外的な識別要素に頼ります。時には活動や趣味、性格について説明することで自分を語るかもしれません。しかし、本当に自分が何者であるかを伝え切るには、これらは十分ではないかもしれません。

もちろん、そんなことを考えなくても、時は流れ、うまくやっていけるかもしれませんが、著者は以下のように訴えかけます。

自己の追求というテーマをより広い視野から考えてもらえるように、このような警告をすることもある。君らが何者であるか自分でわからないなら、誰かが君が何者かを決めてしまうかもしれない。

 

だから自分でわかっていなくてはいけない。私たちは他の誰も知り得ない何かを自分について知っているのだから、その誰かの考えは必ず間違っている。

 

もちろん、自分で気づかない部分が周りに見えているということもあるが、いつだって自分にだけ聞こえる、自分は何者であるかを告げる心の声があるはずだ。偽りのない、本当の自己を発見することこそが君たちの課題だ。

 

自己認識をますます高め、自分の強みや限界を踏まえた人生の目的を見つける旅を、やめてはいけないと伝えている。


少し哲学っぽくも聞こえますが、僕らは真剣に「自分とは何か?」という問いに向き合う必要があります。自分が今やろうとしていることは、本当にやりたいことだろうか?お金や地位、周りからどう見えるかという側面を気にして、しっかりと向き合うことから逃げていないだろうか?

もし、そこから逃げ続けるのなら、人生が終わろうとした時に「あれ?何をしたかったんだろう」と悟ることになってしまう。

就職活動というものにあまりいい印象を抱いてはなかったのですが、自分の自己実現を達成するために、「自分とは何か」を考えることは、実はとてもいい時期なのかもしれない。なんて思う就活解禁の3月を迎えた今日この頃でした。