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点は繋ごうとしてはいけない

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ぼくはジョブズの評伝は読んだことはないのですが、彼が残した歴史的スピーチはよく見ます。ふとした時にyoutubeで彼の動画を見ると、その時々で響く言葉や解釈が違って、自分に語りかけてくれる気がします。

この有名なスピーチの中で、よく取り出されるのが「点を繋ぐこと(connectiong dots)」です。これは、人生のどんな出来事も後から振り返ってみると繋がっていたというジョブズの経験からくるメッセージですが、最近は、点というものは繋ごうとしてはいけないな、とよく思うようになりました。

デザインを勉強していると、行動経済学がよく引き合いに出され、バイアス(思い込み、偏見)にとらわれてはいけないという話をよく聞きます。

シリコンバレーで働くエンジニア(ブロガー)の上杉周作さんが最近翻訳された「Factfulness」は、ビルゲイツも絶賛する本で今とても話題になっていますが、本書も思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣をつけようという内容です。(昔は、上杉さんのブログを読み漁っていていたのですが、まだ本書は読めていません。ごめんなさい)

話を戻すと、ジョブズがかけてくれるこのメッセージはとても若者に力を与えてくれるものですが、闇雲に点を繋ごうとすると、それは一種の思い込みになってしまう気がします。バイアスの種類でいうと「確証バイアス」に当たります。

確証バイアス

『自分が好きなもの・信じていること・慣れ親しんでいる価値観(世界観)』などが固定観念としての確証バイアスを生み出し、その結果、見たいものだけを見て聞きたいものだけを聞くという状況を作り出してしまう。

 自分のやってきたことを信じることはもちろん大事ですが、それを無理に正当化しようとして捉われてしまうと、自分を欺き続けることになってしまいます。

とはいっても、やはり人は理由を求めます。過去の経験が今に繋がっていると他人に、もしくは自分にい言い聞かせれば、もちろん説得力は高いし、できるならそういうストーリーを話したいものです。

そんなことを思っていてジョブズのスピーチを見ていると、彼は確かに点が繋がるように信じることは大事だけど、未来を見て繋ぐことはできないと言っていたことに驚きました。

未来を見て、点を結ぶことはできない。
過去を振り返って点を結ぶだけだ。
だから、いつかどうにかして点は結ばれると信じなければならない。

 

you can’t connect the dots looking forward;
you can only connect them looking backwards.
So you have to trust that the dots will somehow connect in your future.

大事なのはやはり、直感を信じることなのです。直感と思い込みを見分けることはどうしても難しい。しかし、自分を欺いている時、違うと思うときは何かきっと違和感を感じているはずです。僕らはその違和感に気付こうとする努力をする必要がある気がします。

そして何よりも大事なことですが、自分自身の心や直感に従う勇気を持ってください。心や直感は、みなさんが本当は何になりたいのかをすでに知っています。他のことはすべて二の次なのです。

これはつまり、何かを信じなくてはならないということです。自分の本能、運命、カルマ、なんでも構いません。点がやがて繋がると信じるなら、たとえ周りの人々が通る道から外れてしまうことになっても自分の心に従う自身が生まれ、これが大きな違いをもたらしてくれるのです。

ジョブズへ、あなたを愚か者だという人はこの世の中にたくさんいるし、あなたが実際にどんな人だったのかもしらない。でも、あなたのメッセージはいつも僕の心に響いてくる。きっと、いろんなことを経験し、少なくとも僕にはまだ見えてない、いろんなことがあなたには見えていたのですね。