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デザインは世界を変える-絵が下手でアートに無縁なぼくがデザインに興味をもった訳

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現在ぼくはデザインに興味を持つようになり、大学生というあと少しの貴重な時間のなかでこれを学んでいきたいと考えるようになりました。

そのきっかけがこの1冊の本との出会いでした。

世界を変えるデザイン

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この本の内容は、現在のデザインというものは、10%の富裕層のためのものであり、その他の90%の人々にとっては何の役にも立っていない。しかしデザインの本質は問題解決であり、格差や貧困問題をデザインが解決することができ、それをビジネスとして活動することが述べられています。

多くの物やサービスがデザインされる事によって、CMの宣伝で人々の購買意欲をあげたり、よりよい暮らしのための多くの商品が作られています。

しかし、そのデザインというものは世界の10%の富裕層の人々のために使われているが、その他の90%の人には役に立っていません。

ぼくたちの生活は日々向上し、素敵な住まいや、安心して飲める水、よりよい移動手段がますます発達していますが、世界には毎日を満足して暮らせる人がいない現実があり、これは資本主義社会が作り出した現実です。

世界の全人口65億人のうち、90%にあたる58億人は、私たちの多くにとって当たり前の製品やサービスに、まったくといっていいほど縁がないという状況。

さらにその約半分は、食料や、きれいな水、雨風をしのぐ場所さえ満足に得られない。

特に日本は安心した水と住まいは保証され、それが当たり前となっています。しかし世界にはまだまだ生きていく上で最低限必要なものが与えられていない人々がたくさんいます。

このような状況を変えることができるのがデザインというものであると述べられています。

そしてまたこれも単なるボランティアではなく、収益を出すことができるビジネスとして活動することができるというのが本書の主張です。

それをBOPビジネスといいます。

BPOビジネスとは??

これは途上国におけるBOP層(Base of the Economic Pyramid層)を対象(消費者、生産者、販売者のいずれか、またはその組み合わせ)とした持続可能なビジネスであり、現地における様々な社会的課題(水、生活必需品・サービスの提供、貧困削減等)の解決に資することが期待される、新たなビジネスモデルのこと。(参考:https://www.bop.go.jp/bop)

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本書では、デザインによって作り出されたものの例に、泥水を飲み水に変えることのできるライフストローや、世界中の子供達に教育があたえられるラップトップなどが紹介されていました。

デザインで世界を変えられるか

ここで初めて知ったのがデザインの本質というものは問題解決であるという点です。

ぼくは本当に絵を書くのが下手で、デザインとは無縁だと思っていましたが、デザインはアートとは全く違うものであるというのがわかりました。それがよく説明されていたのがこの米国のデザイン教育から学んだことという記事です。

デザインと聞くと、生まれ持った才能を存分に発揮して、クリエイティブに様々なものを生み出していくというイメージをお持ちの方も多いかも知れませんが、これは全くの誤解であると言えます。本来、デザインプロセスとは問題解決を前提としているため、地味な作業の連続であり、非常に理論的なプロセスで構成されています。

(省略)

 “What is the difference between art and design?”(デザインとアートの違いとは何か?)この質問は、米国で初級デザインクラスを受ける学生達が、教授達から頻繁に投げかけられる問いの1つです。何故この質問がよく使わるのかというと、デザインを習い始めた学生の多くは、デザインとアートを混同しているためです。デザインとアートの間には、決定的な違いあります。それこそ”Design solves a problem, art is expression”(デザインとは問題解決であり、アートとは自己表現である。)というものです。 

 デザインとアートの違いは、デザインとは問題解決であり、アートとは自己表現である。またデザインは「なぜ」にこだわり、それを説明できなければ適切デザインではないというところも新しい発見でした。

僕はいままで、物事をするにしても何も考えず言われた通りにやっていました。なので僕にとっては一番の欠点かもしてませんが、逆にデザインを学ぶことは人生において非常に大きな財産となるとも言えるかと思います。

日本と海外のデザインの違い

しかしこの本を読んで一つの疑問が出てきました。

というのもデザイナーといっても、いろんなデザインの職があると思います。特に僕にとってはデザイナーといえばプログラミングもやっていたこともあり、webデザイナーの印象が自分としても強かった。

しかしwebデザインというのは、あるシステムがありその表面を作る作業であるというのが自分のイメージで、この本でいうデザインとは違うのでは?という疑問です。

そこでいろんな方にもお聞きしたのですが、WEBデザインという職種には日本と海外では圧倒的な違いがあるというのがわかりました。

WEBデザイナーといえば北米ではWEBを使って問題解決をする人を指すが、日本では表面的なデザインを意味することが圧倒的だということ。

なので年収にも差が出ており、北米のWEBデザイナーは600万が平均であり、日本だと300万程度が平均であるという。

日本と海外ではWEBデザイナーのやることの本質が違っているのだなとわかりました。

またそれも実際に経験してみないとわからいのでしょう。

目的と手段を間違えてはいけない

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また質問さしていただいた方で、記事を通してお答えしてくれる方もいました。

回答してくださったのは、大阪でフリーランスとして活躍されているSumida Ayakaさん。そして記事がこちらWebデザインで貧困問題や格差を解決できるか

デザインで貧困問題や格差を解決できる…Yes
貧困問題や格差を解決できるためにはデザインが必要…No

取り組みたい貧困や格差の問題がどのようなものかはわかりませんが、問題は山積みで、しかし解決法も山とあると思います。しかし、「貧困や格差の問題を解決したいのでWebデザインをやる」と言うのは何となく遠回りに感じてしまいます。仕事としてWebデザインに取り組みたいと思うのならば、そのことへの興味や探究心なしではむつかしいと思います、少し切り分けて考えられたらどうでしょうか。そういったことを真剣に考え、取り組んで行きたいと思われるのは素晴らしいことです。自分の周りにもそういった問題に、様々なアプローチで取り組んでいらっしゃる方はいます。そういった方をとても尊敬します。

「絶対にデザインで解決できる問題」と言うのは存在しないと思います、何か問題があって、「その一つの解決法がデザイン」というだけです。

ここで感じたのは、WEBデザインという職だけが貧困問題を解決することができるわけでなく、もし貧困問題や格差を解決するというのが目的なのであれば、他にも最短距離でできることがあるかもしれないということ。

あくまでデザイナーという職やスキルは、手段に過ぎないということです。

手段と目的を間違えていけない。

これをしっかりといってくれてぼくはとても納得し、Ayakaさんにとても感謝しました。

貧困や格差を解決するには自分がまず成功を納めなくてはいけない

また貧困問題を解決するために自分が仕事をしていくには、まず自分が食べていけるだけの実力を身につけなくてはなりません。他人の幸せを願うにには、まず自分が幸せにならなくてはいけないといったとこでしょうか。またそれをするにはそうとうな努力と技術も必要になってくると思います。

またいろんな方に相談してわかったことは、いままでなんのスキルもなくやりたいこと探しをしてきた僕にとってそのような世界の問題を解決するための仕事をするには、相当な努力や継続が必要になるということ。高校からデザインを勉強し、そこで大学でまた勉強するとなれば約7年以上の遅れがあると、シンプルに考えてもいえるでしょう。

それに追いつくのであれば、僕としては環境をガラリと変える必要がある。いままでのようにやりたいことを探すためにがんばるといった生半可な努力では厳しい現実です。

情熱を持って働いてる人はかっこよかった。

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いつも綺麗事で終わる形で自分でも抵抗がありますが、やはり情熱を持って一つのことを頑張っている人はかっこよかった。

僕の大学には経済学者の浜矩子先生がいます。テレビでもよく出演していて紫の奇抜な髪型が印象ですが、大学院の先生なのであまりみたことがありませんでした。アベノミクスのことをアホノミクスと何度も言っていて「なんだこの先生は」とあまり良い印象を持っていなかった。

しかし最近の出来事で僕がかなり将来に悩んでいるときに、大学の教会で経済学部の講演をしているのをたまたま見つけ、しかもそこに浜先生がいた。

講義の内容は確か「世界のの平和を守るためになにをすべきだったか」だった気がする。(間違っていたらごめんなさい。)

そこで初めて生で浜先生を見て、またそこでも何度もアホノミクスのことをゆっていました。

「ほんとにゆってるよ・・」

と僕は思いましたが、話を聞いてみると先生は本気で日本と世界を平和にしていくためにどうすべきかを情熱を持って語っていた。

その内容自体が正しいことをいっているのかは僕にはわからない。けれど少なくとも先生は本気で日本をよくするためにどうすればいいのかを語っていた。これは今まで本やテレビで偉い学者が語ってる話ではなく、リアルで聞くからこそ感じられたことだった。それは僕にとってほんとうにかっこかった。

そこで先生になぜ経済学を学んでいるのかを質問しに行きました。普段の僕ではおそらくそんな勇気はないけれども、かなり自分で思い悩んでいたことが後押しした。

そこで質問しようとした時、自分は経済学部なのに今まで単位だけをとるような勉強をしていたことに恥ずかしさと、情けなさを感じ結構周りの人がいる中で泣いてしまった。いきなり質問しにいって、人前でいきなり泣き出す大学生ががいるでしょうか??

ただのバカです←

でもそれでも浜先生は話を聞いてくれ、なぜ経済学を学び始めたのか、そして今後経済を学ぶことのアドバイスをしてくれた。

どんな仕事も何かの問題解決である

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デザインの本質は問題解決であり、僕はそこの部分に魅かれたわけです。しかし気づけば世の中のどんな仕事もだれかの役に立つこと。つまり問題解決であることが最近よく思うことです。

誰かの役にたつこと、お客さんの役に立つことをする喜びを知れば仕事をすることの意義を見出せるかもしれません。

また僕の尊敬する人物であるメタルギアソリッドシリーズを手がけた小島秀夫監督はゲームを通じて、戦争がどんなものか、核兵器による抑止力の話などを伝えています。

ある時ファンの方が、ゲームは最高に面白いからプレイ中に血が出ない設定を加えて欲しい!せっかくの良いゲームなのにバイオレンス要素によってゲームの質を下げている!みたいなことがお便りできたそうです。

その時小島監督は絶対にそれはしないといいました。それは人は銃で撃たれたら血が出るし、人は簡単に死んでしまうこともあるんだということを伝えたかったからだそうです。最近は残酷なゲームや映画が多いですが、一方でそのような情熱をもって物作りをする人もいることに僕は感動しました。

素晴らしいゲームを作ることによって、戦争の残酷さや自分の伝えたいメッセージを伝えることができる。メタルギアがこれほどまでにヒットしているのはそういった情熱があったからかもしれません。

とりあえずの今のやりたいこと

現実はそこまで甘くはないのだろうけれど、それでも挑戦して失敗するのもいいじゃないか。そんなことを岡本太郎も言っていた気がします。とりあえずの今の夢や目標はデザインで誰かの問題を解決すること。夢は変わってもいいっていろんな人がゆっていたので、そうしようと思います。

だからと言って手を抜くのはまた違う。しっかりと目標をもち、それに向けて本気で努力したいなと思う次第です。

それがもしかしたらデザイナーという職かもしれないし、またまた違うと思って他のことに変わるかもしれないけれど、少なくともいままでよりは少しだけビジョンが見えてきたた気がしています。

デザイナーの方や少しでも思うことがある方。どんなアドバイスでも歓迎ですのでよろしくお願いします。

参考記事 

blog.btrax.com

note.mu

stocker.jp