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誰にも真似されない文章の書き方〜「人を動かす文章術」

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先日、有名ブログ「わかったブログ」のある記事で、紹介された本を買いました。本記事は、1266ブックマークを獲得し、いわゆる「バズった」記事です。

しかし、実際にAmazonレビューをみても、レビュー数14件&星4つだったため、そこまで絶賛するほどか?と思ったけれども、騙されたと思って買ってみたら、これが当たりだった。わかったブログでも、「ライバルが増えるから、できるだけ教えてくない(笑)」と紹介されていましたが、読んでみて納得です。

考える技術・書く技術」が、きれいな文章を書くための本であるとすれば、本書は、人を動かすための、自分独自の視点を持った文章を書くための本です。

それでは、読んでよかったポイントをまとめていきましょう。

  1. エッセイを書く
  2. 一人弁証論
  3. 自分の視点を持つ文章を書くテクニック

誰にも真似されない文章の書き方

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1. エッセイを書く

筆者の齋藤 孝さんは、文章を書く際に必要なのは、文章力でも、国語力でも、日本語のセンスでもないと言います。なにより必要なのは、「意味」を掴み取る力です。

そこで、本書のテーマとなっているのが、エッセイを書くことです。エッセイを書くにあたって、必要なのは、自分の視点を大切にすることです。つまり、他人と違う角度をもった視点で文章を書くこと。この他人と違う視点を持った文章は、面白く、読んでもらえる文章になるといいます。

では、エッセイとはなんでしょうか?よくある間違いは、読書感想文です。これは、作文は、本を読んで素直に感想を書けば成立します。

一方、エッセイとは、一つのテーマを決め、それについて語っていくうちにその本の内容が引用される、といった構造が必要とされるといいます。Wikipediaでは、以下のように定義されています。

エッセイ
1.自由な形式で、気軽に自分の意見などを述べた散文。随筆。随想。
2.特殊の主題に関する試論。小論

エッセイを書くには、あるテーマについて従来とは違った視点での捉え直しと、そこから得た新しい発見が必要です。これができるようになると、例えば本を読んだり、経験をしたことから、新たな気づきや、視点を発見することができた力は、周囲から見れば、「目のつけどころがいい」という評価になります。

「目のつけどころがいい」人物は、ユニークな発想を生み出します。すなわち、社会の中で非常に重宝される人材になるということです。

ここでは簡単に、エッセイを書く段取りと、ポイントを挙げておきます。もっと詳しい内容は、ぜひ本書をご覧ください。

エッセイを書く段取り
  1. ネタだし(思いついたもの、ネタを書き出す)
  2. グループ分け(ネタを3つくらいのグループに分ける)
  3. ゴールを決める(最後の文章を考える)
  4. タイトルを決める(「つかみ」は一番大事)
  5. 通過地点を設定する(「えー」「へぇ」「ほぅ」となる3つのポイントを考える)

では、どのようにすれば、他人と違う角度をもった文章を書くことができるのでしょうか?これについては、「一人弁証論」と、本書の中で特にイイなと思ったポイントを、以下にまとめていきましょう。

2. 一人弁証論

文章を書くには、先ほど、「エッセイを書く段取り」で示したように、まず、ネタを出し、ゴールとなる結論の一文を決めます。その次に、スタートとなるタイトルを決め、その通過点となるポイントを3つほど並べる。これが一番すっきりする文章の書き方です。

これより、もう一段高度な文章スタイルが、「一人弁証法」といわれるスタイルです。

「弁証法」とは、正・反・合のステップによる論理的展開法のことです。つまり、あるテーマに対して、まず、「正」である賛成意見を述べ、続いて「反」である反対意見をぶつ議論形式にする。最終的には、議論の成果である「合」を述べる、というやり方です。これを一つの文章の中で、一人で展開するのです。

この文章テクニックは、一つの文章で、賛成と反対、さらに両者をぶつけた後に導かれる結論まで書かれているため、思考のレベルは自ずと一定基準を超えます。つまり、賛成意見と、反対意見を踏まえた上での意見は、「そこまで考えたのか...」と相手に思ってもらえるので、説得力がかなり高まります。

この手法は、最近話題となった「嫌われる勇気」などでも用いられています。本書では、「アドラー心理学」が対話形式で解説されているため、読みやすく、とてもわかりやすいです。登場人物は、先生と少年の二人です。形式としては、先生が論ずる「アドラー心理学」に対して、少年が「いやいや」と突っ込む、まさに「正」と「負」を用い、結論を導き出すという形です。

この一人弁証法は、あることについて、自分が実際にどう思うかだけではなく、「違う立ち場から考えたらどうなるか」を考える力になります。この方法については、特に「なるほど...」と思いました。これから僕も意識して使っていこうと思います。

3. 自分の視点を持つ文章を書くテクニック

それでは最後に、自分の視点を持つ文章を書くためのポイントをまとめていきましょう。

文章において、凡庸は恥 

文章においては、凡庸さは恥です。結果としての凡庸さはある程度しかたがないとしても、せめて「凡庸さは恥」だということを肝に銘じておきたい。実は、このことを知ってもらうことこそ、私が本書を書くにあたっての、隠されたテーマなのです。 

例えば、TVのコメンテーターが

「結局のところ、人生で大切なのは、人間性を磨くことである」

「自分が納得できる生き方をすることが、一番だと思う」

このような一般論を述べても、おかしくはないですが、同じことを文章でやっては、悲惨です。つまり、凡庸であることは文章において恥なのです。読まれる文章において、目指すべきは、発見のある文章、あたらしいものの見方を提示している文章です。

「上から目線」と「生意気さ 」

「ここが面白いなと思いました」というひれ伏した感じではなく、「この言葉が私をインスパイアしてくれました」という感じを出すのです。いや、もっと偉そうに「この私をここまでその気までさせてくれた。」それだけに、この物語はなかなか大したものだ。」とあくまで「上から目線」の姿勢で臨みましょう。

読書において、筆者と対等な立場で読むことは、批判的に文章を読み、自分の意見を持つことが大切であるように、文章において、「上から目線」や「生意気さ」で書くことは、自分の意見や発見を強調し、他の人とは違う一際目立つ文章になります。

独自の視点の見つけ方

個性というのは、ある種の「無理」や「歪み」だと思います。無理や歪みが一切ない整然たるものというのは、おもしろくもなんともありません。逆に「なんで、ここでこれ?」と驚かれるようなものを文章に放り込んでガリガリつなげていく強引さがあると、その人の個性、歪みというものがにじみ出てきて、「なんか焦げ臭いね」「ここ、摩擦熱が起こっちゃっているんですけど」という感じで、ウケる人たちにはものすごくウケるのです。

例えば、読書での学びや映画でのストーリーを、自分の体験や、生活で起こったことに繋げた時、それは個性になり、その人だけの文章になります。これが独自の視点となり、文章に面白みを生んでいきます。

これを普段から意識すると、何気無い毎日から学びを見いだすことができるのです。その上で、ブログで文章を書くことは、かなり有効です。「書く生活」と「書かない生活」では、普段のものの見方も圧倒的に変わってくるからです。

引用と出典でおトク感を出す

書き手が新しい何かを発見していなくても、あるいは全体の趣旨がつまらなくても、キラリと光る言葉が引用され、しかも出典まで明らかになっていると、「読んで得したな」という感想を持ってもらえるのです。

他人に読ませることを前提に文章を書くときに、面白い発見がないときもあります。その時は、「引用」を用いることが有効です。例えば、小説一冊を読んで、新しい発見をすることがなかったとしても、自分の中で心に残った一文を引用にメモして起き、それに対してコメントするだけで、新しい文章になります。

読んでいる方としても、その小説や映画を見ずに、その引用に出会えただけで、「よかったな」とお得に感じ、またそれがきっかけで、「読みたい!」と思わせことができるかもしれません。このように引用で人を動かすことも可能です。

以上で終わりです。文章とは、何のために書くか。それは人を動かすためにあります。ぜひ、自分だけの文章を書く力を身につけていきましょう。

by みみずのみずの(@mimizunomizuno)