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幸せな人生を歩むために見るべき研究データとTEDトーク7選

20170304175434 最近、幸せについてよく考える。人生を歩む上で、なにが幸せを形成するのか?お金、名誉、キャリア、人、ルックス、人脈など、様々。

僕が20歳の時に行った、初めての留学留学先であるフィリピンでは、ある衝撃を受けた。それは、彼らが1日働いて得られる賃金は、日本人の1時間の時給と同じなのに、日本人より彼らの方が、はるかに幸せそうに暮らしていたことだ。

もちろん、僕がみた人たちはフィリピンの中でも、まだ裕福な人かもしれないし、彼らが裏で抱えている本質的な問題も理解できていないかもしれない。しかし、日本は昔に比べ、はるかに豊かになったのに、朝に見る通勤電車の光景は、お世辞にも明るい光景とは言えないのだ。

経済学の分野で注目されている考え方に、「イースタンリンのパラドックス(幸福のパラドクス)」がある。経済学者のリチャード・イースタリンは、「豊かな人ほど幸福な傾向はあるものの、国平均所得と国民の平均的な幸福度の間に直接的な関係はみられない」ことを研究で発表した。

これは、国が経済学的に豊かになっても、それに比例して幸福度が高まるわけではないということだ。つまり、所得以外の要因が人々の幸福感を左右していることになる。

では、何が僕たちの幸福を決めるのだろうか。今回は、有名なTEDトークの発表から、幸せな人生を歩む上で、きっとヒントになる研究や発表をまとめた。この記事が誰かの人生に、少しでも役に立てることを願うばかりである。

ポイント
  1. 成功するから幸せになるのではなく、幸せだから成功する
  2. 自分のためにお金を使うより、人のためにお金を使ったほうが幸福度は上がる
  3. ルックスが全てじゃない
  4. 感謝が幸せを作り出す
  5. ストレスは有害ではない
  6. 人間関係こそが、人生を健康に幸福にする
  7. どんな辛いことがあっても、幸福度は戻る

幸せな人生を歩むために見るべき、科学的データとTEDトーク7選

1. 成功するから幸せになるのではなく、幸せだから成功する

www.ted.com ショーン・エイカー 「幸福と成功の意外な関係」

人生において、仕事で成功することこそが、人生を幸せにするという主張には、ほとんどの人が頷くことだろう。しかし、ハーバード大学で講師を務める「ポジティブ心理学」を研究するショーンエイカーによれば、人生は「成功するから幸せになるのではなく、幸せだから成功する」と主張している。

ほとんどの会社や学校ではこう考えています。「一生懸命がんばれば、成功できる。成功すればするほど幸せになる」と。 しかしこれは2つの理由から科学的に間違っているし、逆なんです。

 

成功するたびに、脳は「成功」というゴールの設定をし直します。よい成績をとったら、さらにもっといい成績をとらなければなりません。よい学校に入ったら、よい仕事につき、さらにもっといい仕事につかなければなりません。「幸福」が成功の向こう側にあるなら、脳は絶対そこに到達しません。この社会は、「幸福」を自分が認知できる向こう側に押しやっているのです。

彼の研究によれば、必ずしも現実が私たちを形作るのではなく、脳が世界を見るレンズによって 私たちの現実は形作られる。そして、そのレンズを変えれば 自分の幸福を変えられるばかりでなく あらゆる学習や仕事の結果を変えることもできるということだ。

また、ポジティブな状態の脳は ネガティブな状態の脳より31%生産性が高くなり、販売で37%成績が上がることがわかっている。 現状に対してポジティブになることさえできれば 脳はより熱心に、速く、知的に働き、その結果として より成功できる。 このことを理解するだけでも、物事をよりポジティブに捉えることができるだろう。

こちらは、書籍も出版されており、理解を深めるのに参考になる。(幸福優位7つの法則)

2. 自分のためにお金を使うより、人のためにお金を使ったほうが幸福度は上がる

www.ted.com 幸せを買う方法

世の中、お金が全てじゃない、とはよくいうもの。宝くじで大金を得た人のほとんどが、友人関係が無茶苦茶になり、不幸せになっている事実もある。しかし、ハーバードのビジネススクールで教えるマイケル・ノートンによれば、幸せはお金で買えると主張した。

多くの人が、お金で幸福を買えないのは、お金の使い方を間違えているだけであるという。結論をいえば、 お金は自分のために使うのではなく、人のために使った方が幸福度があがるのだ 。これについては、以下のような実験が行われた。

  • カナダの学生に、お金の入った封筒を渡し、「自分のためにお金を使う」グループと「他の人のためにお金を使う」グループに分けたところ、他の人のためにお金を使ったグループの方が、幸福度は高かった。(5ドルと20ドルに分けたが、金額は関係しなかった)
  • 最近寄付しましたか? また自分の人生にどれくらい満足していますか?と全世界で質問したが、寄付をした人は幸福度は高かった。(中央アフリカ共和国はなぜか逆)
  • ドッジボールチームに同じ実験をしてみると、他の人のためにお金を使ったチームは、他のチームより見違えるようになり、最終的にはリーグ優勝を果たした。

上記で分かるように、「人のためにお金を使った人」の方が、幸福度は上がり、幸せになった。興味深い点は、ウガンダのような貧しい国でも、同じであることである。

3. ルックスが全てじゃない

www.ted.com ルックスだけが全てじゃない。モデルの私が言うんだから信じて

下着のモデルを10年も務めるキャメロン・ラッセルは、自分がモデルで活躍できていることは、宝くじに当たったようなものであると正直に語っている。

彼女は自分の外見のおかげで、例えば、仕事で靴をたくさんもらったり、お金を忘れてた時欲しかったドレスをタダでもらえたこと、ドライブの際、赤信号を突っ切って警察に止められた際は、「ごめんなさい」と言えば見逃してもらえたこともあったと言う。それでも彼女は、ルックスだけが全てではないと主張する。

人がこう私に聞く時、こんな答えを期待してると思います。「人より少しスラリとしていて、きれいな髪をしていれば、幸せですばらしい生活ができるわ」なんて。まあ、バックステージでは似たようなことを答えています。「旅行したり、クリエイティブで、才能あふれる情熱的な人々と一緒に仕事をするのは、とても素晴らしいことです」なんて言ってますから。

 

確かにこれは真実ですが、事実の半分を表しているだけです。カメラに向かって決して言わないことがあるんです。それは「私は不安でいっぱいだ」ということ。なぜ不安なのかというと、いつも、自分がどんなふうに見えるのか、そればっかり考えなければならないから。

最近、アメリカで活動を広めている、人気音楽バンド「ONE OK ROCK」のボーカルTakaが、急激に知名が高まる一方で、ファンが殺到するあまり、外で外食することもできない現状にSNSで不満をもらしていた。

つい、他人にあるものを羨ましく思ってしまうが、ここから学ぶべきは、今自分にあるものに感謝することかもしれない。

4. 感謝が幸せを作り出す

www.ted.com 幸せになりたいなら感謝しよう

どんな自己啓発本にも、宗教にも共通して言われていることがある。それは「感謝すること」だ。ぼくは「出会いの全てに感謝!」と言う人が、あまり好きではない。でもやっぱり、感謝する心が、毎日を、人生を幸せにするのだ。

この講演では、科学的データは使われていない。しかし、講演者の人生から語られる言葉には、強い力が感じられる。感謝の心を忘れないように日々生きていこう。

不運に見舞われた人達のことも、私達は多く知っています。自分には起こって欲しくない不運があってなお深く幸せを感じている人々です。彼らは幸せをまき散らしています。そして人は驚きます。なぜでしょうか?

 

それは、彼らは感謝しているからです。つまり、幸せが人を感謝させるのではなく、感謝が人を幸せにするのです。もし幸せが自分を感謝させると考えている人は、考え直して下さい。人を幸せにするのは「感謝の気持ち」です。

5. ストレスは有害ではない

www.ted.com ストレスと友達になる方法

スタンフォード大学で心理学を教えるケリー・マクゴニガルは、 「ストレスは有害ではない」という発表を行い、出版された本は世界でベストセラーとなった。 (ストレスを力に変える教科書)

彼女は、アメリカの成人3万人を8年間追跡し、健康とストレスについて調べた。その結果、前年に重度のストレスを感じた人々が翌年に亡くなる確率は43%も高いということが明らかになった。ここまでは、当たり前のことに思える。しかし、この研究には続きがあり、なんと死亡の確率が上がったのは「ストレスが健康に悪いと信じていた人だけ」だったのである。

また、彼女の著書の続編である「人生がうまくいくシンプルなルール」によれば、ストレスは「重要な役割を果たそうとする時や、意義のある目標を追い求めた時に、必然的な結果として起こるもの」とも捉えることができる。つまり、 直面している問題を、単にストレスと捉えるのではなく、意義のある目標を追い求めた結果に起こるものと見なせば、それを乗り越えることができる。

人生の中では、たくさんの試練に立ち向かうことがある。でも、そんな時に、ストレスは決して悪いものではないと捉えることができれば、きっと乗り越えていけるのかもしれない。

6.人間関係こそが、人生を健康に幸福にする

www.ted.com ロバート・ウォールディンガー: 人生を幸せにするのは何?最も長期に渡る幸福の関係から

ウォールディンガー教授は、75年間の長期に渡って、毎年被験者に聞き取り調査と健康診断を行い、人生において何が人を幸せにするかを調査した。その結果、 私たちを健康に幸福にするには、「良い人間関係に尽きる」 と結論付けた。

彼らの人生から得た 何万ページにもなる情報から 分かった事は何でしょう? それは富でも名声でも 無我夢中で働く事でもなく 75年に渡る研究から はっきりと分かった事は 私たちを健康に幸福にするのは 良い人間関係に尽きるという事です

また、彼は75年間の長期の調査から、3つの教訓を見出した。それは以下である。

  1. 家族、友人、コミュニテイ等、周りとのつながりを持っている人はそうでない人よりも幸せで健康で長生きする
  2. 親しい友人の数より、身近な人たちとの関係の質が重要である
  3. 良い関係は脳(健康)も守る

よりよい人生を形成するのは、「人とのつながり」なのだ。そして、それは友人の数などではなく、どれだけ親しい友を持つかである。身近な人をもっと大切にしていきたい。

7. どんなに辛いことがあっても、幸福度は戻る

www.ted.com ダン・ギルバート: 私たちが幸せを感じる理由

ある調査では、下半身麻痺された人と、宝くじを当てた人を比べたところ、1年後の幸福度は全く変わらなかった。つまり、どんなに辛いことがあっても、幸福度は戻るのである。

この講演のテーマは、「人は人工的幸福を作り出すことができる」と言うものである。いくつかの調査が紹介されているため、ぜひ動画をみてほしい。最後に、講演者ダン・ギルバートの引用で終わろうと思う。

ひとつの未来を選び抜く力は持っておくべきです けれどもその選択が異なる未来の差異を過大評価することによって 強引で拙速なものになると リスクが生じるのです 望みは限られたものであれば、楽しむことができます。同時に恐怖が限られたものであるなら 我々は用心深く慎重で分別をもって行動できます。

さいごに

ここまで、権威ある人たちが発表した、幸せに関する調査をまとめました。これらを踏まえて、ぼくが思うのは、人生を豊かにするものは「人との関わり」であり、それに必要なのは「人として成長すること」だと思います。

生きていれば困難に直面したり、辛いこともありますが、それでも人生をより充実したものにするのは、やっぱりどんなことにも日々感謝することから始まるのだと思うのです。

まだまだ未熟な自分ですが、「いい人とは何か?」を日々問い続けていきたいと思います。自戒を込めて。

by みみずのみずの(@mimizunomizuno)